担任の先生より OT・PT・ST

591)特別支援学校 教員の意図は言わないと、伝わらない

あの先生、いつも余計なことばかり言うよね。
すごくマンツーマンの指導にこだわるけれど、なぜだろう?
あの時間、いつも子どもと走ってるけど、なんでだろう?
あの先生の授業、うまくまとめるけど、つまんないよね。

【言わないと分からない】
教員の指導は外見からでは分からないことがたくさんあります。

なんというか、職人みたいなところがあって、「私がここを仕切るので、みんなついてきて」みたいなところもあります。確かに、うまくまとまっているし面白いんだけど、ST(サブティーチャー)やっていて充実感がないなぁ、と思うことがあります。

この達成感のなさはどこからくるのかなと思っていましたが、一緒に指導している感が薄いし、自分の専門性が発揮できる訳でもない、ただ授業を運営するためのコマにされたような気分です。そんなときは、STは教員でなくてもいいんじゃないですか?と思ったりすることがあります。そんな授業をするMT(メインティーチャー)は統率力や指導力はあるのかもしれませんが、チームプレー(中身を含む)が下手だなと思ってしまいます。

STをうまく指導に取り込むには、任せる場面をつくる基準は作るけれど運用に口を出さない授業で何を頑張るか全員に伝えられる、のどれかがないとダメだと思っています。

【何したいの?】
冒頭に書いてみた、「あなたはなぜ、そうしているの?」も理由がないと協力や理解は得られないですし、役割を果たしているつもりでも、大抵は自分勝手な先生だと陰口をたたかれます。

・マンツーマンの指導にこだわる
 マンツーマンをしなければならない理由があるのでしょうか?それとも、複数の教職員や子どもをまきこんでの指導に自信がないのでしょうか?子どもや、その保護者の要求やクレームなどを調整することができないのでしょうか?すごく支援が必要な子どもを抱えているのは「大変だけど頑張っている」と思われつつも、あの先生が休んだりしたとき、誰がみるんだろう?という不安がチーム内によぎります。特に大変なこともないのにマンツーマンでこもっていると、チームは複数の子どもを指導しているのに、周りに負担をかけて自分の世界を作って楽をしている、と総スカンを食うことがあります。なので、理由があればチームに説明すべきですし、複数でみることができなければ、チーム内で意見を出し合って指導体制を工夫する必要があります。

・指導の意味が分からない
 作業療法の世界にもありますが、「ある作業をしていますが、その理由は様々です」みたいなやつです。

単に手をつないであるいている場面ひとつとっても、指導の目的は「重心の位置を把握しながら歩く」、「持久力をつける」、「目的に向かって移動する練習」、「歩行速度を一定にする」などたくさんの目標が考えられます。

悪く言うと「他にすることないの?」とか、「手をつないで、心理的に依存させている」、「歩かせ過ぎで、体力を奪って、他の学習に支障をきたしている」などがあります。

活動の理由を明らかにしていないと、いくら良い指導でもチーム内に不信感が充満することがありますし、違う人が指導することになったら「何を意識して指導するのか分からない」まま方法論で支援にあたることになり、中身のないやっつけ仕事になってしまいます

最悪なのは、意味も伝えず人に任せて、「それは違う!」と担任が激怒するパターンです。そんな先生の指導のサポートは怪しくて入りたくありません。もし、入ることになったら事前に「なぜそうするのですか?」「こんなときはどうしますか?」「何をもって良しとしますか?」など丁寧に質問して、いろんな意味で安全にその場をクリアされたらよろしいかと思います。