担任の先生より OT・PT・ST

972)特別支援学校 作業療法の学会 回復期リハから生活期への連続性

回復期リハは、急性期リハの次にくるものです。

【急性期リハと回復期リハ】
急性期とは、病気になって検査だ、治療だとバタバタして、命や健康を繋ぎとめようとする段階で、回復期は症状が落ち着いてきて、自宅などに戻ろうと準備している期間です。

リハビリテーションも、急性期リハがあり、回復期リハがあります。急性期では、症状が落ち着いて欲しいと思いつつ、回復期を迎えるまでの下地を作っておきたいと考えるでしょう。回復期では病気やケガをする前と後の違いをふまえつつ、どのように生活に向けての準備をすればいいのかと考えます。

【学校にある学部間の摩擦】
このような、前と後の役割や思いの違いは学校でも見られます。

小学部では基本的な生活習慣の定着を、中学部では集団生活をふまえた生活リズムや参加の仕方を学ぶことが求められます。何をもとめて、どのように取り組むかは、担当した担任の先生の教育観や力量に左右されることが多いです。それぞれの価値観で相手を批判することがあります。

「小学部では、基本的なことをきちんと指導せずに、遊ばせてしまっている。」
「中学部では、せっかく小学部で培ってきたものを置き去りにしてしまっている。」

内容の妥当性はともかく、陰口的な批判みたいです。(言いすぎ半分、ごもっとも半分)

【相手への期待】
やっぱり期待するから、違っていると不満になるんだろうと思います。小学部と中学部は両方をやってきたので、それぞれの事情は分かります。教育観や、どこを指導するか選んだことが合致しなければ、期待値には届きません。

相手に対してイラつかないようにするには

この地点からどのように伸びてきたか、過程(経緯)を理解する。
何を優先課題・目標にしているか(いたか)、理解する。
小学部や中学部などの学部運営について理解する。
すべてにおいて、底上げがきっちりできている(およそ非のうちどころがない達成度)。
前後の人的・物的・状況が違うものでないか(ハシゴが要ると思っていたが、現地に階段があったなど)

【自分の仕事の意味や価値】

自分がした仕事、達成できたこと、これらは価値あることとして大事に思っていると思います。それが引き続きできることならば、できる環境ならば、やろうと思える価値ならば、継承されると思います。

ただ、内容が良くても、次に支援する人が他に大事にしたいことがあったら、そちらを優先するかもしれません。

あなたが成し遂げたことは、あなたがいた環境下でできたこととして価値があり、次の環境下で有用かどうかは問わない。もし、つなげたいことならば、対象者が次に進む環境をキッチリ把握して、それに応じたことをする、共感される目標と成果を達成する、が大事です。でなければ、単なるエゴとして煙たがられることになるかもしれません。