学校の文化

48)特別支援学校での着替え指導

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、特別支援学校で行われる、着替えの指導について書いてみます。
昨日、定時排せつについて書いたので、ADLつながりです。

【特別支援学校における着替えの時間とは】
着替えは、パジャマから普段着に着替えたり、体操服に着替えたり、 式典など特別なときに着替えたり、水着に着替えたりと、場に応じて 装いを新たにすることです。

高等部に入ったら、作業学習や実習のときに着替えをして、 これから働くぞという心構えをもったり、気持ちを切り替えたりすることが大事 と考えられています。
そのため、知的障害を主とする特別支援学校の中学部でも 登下校時を中心に、各教室や所定の場所で着替える取り組みが行われています。

こんな場面もあるかもよ

【着替えの場所】
どうも段階づけがあるように思います。
周囲からの刺激の少ない慣れた場所(教室)から大勢がいる広い教室へと ステップアップしていき、見守りなどの支援をする教員も個別性の高いものから 低いものへと変わっていくようです。

【生徒がつまずくところ】
生徒がスムーズに着替えられない理由として、以下のようなものが挙げられます。
・着替える空間が広く、どこに行ったらいいか分かりにくい。
・友達がやってきることに気をとられ、追従して遊んでしまう。
・友達と場所の取り合いをして喧嘩になる。
・着替える場所に大勢いるので、刺激が多くて手元に集中しにくい。
・バッグの中にある、何をもってきたら着替えができるか分からない。
・脱いで着る、どこまで脱いで、何を着るか手順が分からない。
・脱いだものをどこにおいたらいいか分からない。
・衣服の前と後ろが分からない。
・衣服の表裏が分からない。
・衣服の左右が分からない。
・上着のどこに手を入れ、どこから頭を出すのか構造が把握しにくい。
・脱ぐとき、袖や裾を引っ張らないので、次に着る時にどうしたらいいか分からない。 ざっと挙げても、これくらいあります。

【指導としてどう成立させるか】
様々な生徒の困り感や、行動上の問題などについて、個別に原因を明らかにして、 それに応じた手だてを考えていけばいいのですが、 生徒の数に対する教員の数が少ない訳ですから、 どの先生が誰につくか、割り振りをしないと、指導と安全確保、所在確認が成立しないのです。

生徒の特性などに応じて着替えに対する指導体制を考える

その結果、個別のニーズより、集団をまとめることが優先されます。
個別の対応は「ピックアップして順番に」、「小集団に分けて順番に」となります。
ここが個別のニーズを丁寧に評価して、治療の手段を考える作業療法士(OT)などと 進め方が違うところです。
細かく作業分析すれば、〇〇君と〇〇君を入れ替えて…などの対応をしながら、 生徒の能力の底上げを図るのでしょうが、組み合わせを変えたことによって新たな課題に 振り回されるのではないか、次の活動にスムーズに移行できるのか、が心配になるので、 慣れて安定して進められるパターンで進めたい、というのが多くの先生が考えることではないか と思うのです。

もし、対応方法や組み合わせのパターンを変えて、一歩進めるか試したいときは、 エラーが起きたときに対応できるマンパワーを確保するか、期間限定で試して考えるだけですよ、 などがないと、なかなか動き方を変えていくことは難しいです。

【まとめ】
着替えは学校でよく行われる日常生活動作(ADL)の一つです。 そこから生徒の課題が見えることがあるのですが、丁寧に見ていくこと、 ニードに臨機応変に対応することが結構難しいと感じることがあります。
いかに効果的で安全な指導体制が組めるか、生徒の多くのニーズからどの生徒に 焦点を当てて取り組むか、生徒のニーズの原因をどう整理するか(評価)、なかなか悩ましいことです。
そのあたりが担任の先生が専門家の助言・指導がすんなり飲めなくなる理由かもしれません。

https://magomago1.org/bathroominthespecialeducationschool202002/
前回のブログは、「47)特別支援学校での定時排せつ」でした。

https://magomago1.org/differencebetweenschoolandmedical202002/
次のブログは、「49)作業療法士だった私が学校に入って怒っていたこと」です。

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