学校の文化

55)特別支援学校でのADL(排せつ)の指導 「立ってするのは男のプライド」か

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、日常生活動作(ADL)の一つ、トイレ動作について書いてみます。

【エピソード】
ずいぶん前になりますが、急性期の病院でリハビリをしていたとき、 片麻痺になった患者さんから、「立ってトイレをするのは男のプライドです。」 と言われたのを、知的障害特別支援学校で定時排せつを促しながら思い出していました。

【排せつ(小)の一例】
目の前にいる児童・生徒はズボンを膝まで下ろし、胸の前で小便器の上部を抱え、 腰を小便器に軽くおしつけながら、壁をじーっと見つめています。 知的障害を主とする特別支援学校では、卒後の生活を考え、ズボンを 膝まで下ろして小をするのはマナー上よろしくないとしています。 (が、難しい生徒は、それなりで過ごしています。)

そこまで脱がなくても

【ぎもん】
素朴な疑問なのですが、
①ズボンを膝まで下ろして小をする人と、しない人、何が違うんだろう?
②ズボンを濡らさないよう、周囲を汚さないよう、便座に座ってと言われますが、何故定着しないか?
某理学療法士(PT)に話をふりましたが(もちろん男性)、 なんだかうまく逃げられました。ので、私が箇条書きで考えて書いてみます。

①について
・チャックのない、下ろすだけのズボンだと、下ろした後にたわみができて、落下した尿で濡れてしまうリスクが高まる。
・両足を左右に開き、少し膝を前に出して軽度屈曲位にします。それをしないと、尿がでるところの真下に小便器の受け部分がこないのです。
・尿を出す部分の長さ(ズボンの厚みや姿勢の調整力を越える体力)
・皮をかぶっているかどうか(皮での放出される向きが変わり、尿が衣服を直撃したり、小便器外に出たりする。)
・尿を出す部分に手を添えて、排尿される方向が変わらないよう配慮できるか。
・排尿されている部分が目視できるか。(状況確認できないと、予期せぬミスが修正できない)

濡らさないでね

②なぜ、便座を使わないか
・ズボンを上げ下げするのが面倒くさい。
・トイレで「待ち」になる可能性が高くなる。
・トイレで「待ち」が長くなる方法を日常的に取り入れる意味が分からない。
・尿を出す部分の先が、便座の中側を向くように調整しないと、便座の前方に尿が飛び出す。
・尿を出す部分を無理矢理下向きに折り曲げると、尿道が折れ曲がってスッキリした排尿ができず、  立ち上がった瞬間、残尿がこぼれ落ちる。

【追記】
書いていて、少し気が滅入りましたが、分析することで児童・生徒の排尿の特性が少し見えてきました。 また、女性には分かりにくい世界だと思うので、これでイメージをもって指導してくれたらと思います。

https://magomago1.org/bathroominthespecialeducationschool202002/
排せつについて、「47)特別支援学校での定時排せつ」でも取り上げていますので、併せて検討頂ければ幸いです。

https://magomago1.org/technicaltermdifference202003/
前回のブログは「54)「アセスメント、評価」という言葉は職種によって使われ方が違う~特別支援学校より~」でした。

https://magomago1.org/takeonoffshoes202003/
次は、「56)特別支援学校でのADLの指導(靴の着脱)について考える~作業分析は大事~」です。

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