学校の文化 担任の先生より

1002)特別支援学校 仕事の丸投げ

分掌会議でのこと。

「じゃあ、〇〇研修会の担当は△先生、お願いします。」
「この対応は□先生が担当で進めてください。」

異動したての先生にも、平等(?)に仕事が分担されます。

え?それって、どんな仕事?どうすればいいの?
分からないという疑問に対して、信じられない言葉がかえってきます。

「分からないところがあれば聞いてください」
「仕事はやって覚えるものです」

【仕事を理解してすすめるということ】
リハの実習でもやられたことがあります。

「分からなければ、調べて」

分からないことについて考えるとき、何らかの仮説がたち、それについて文献を調べれば、要点をおさえているかどうかは別として、自分なりの答えがでるはずです。学生のときは、考えることが仕事で、分かろうとするプロセスをたどることが学びになります。

しかし、教員の仕事は、あるミッションを期限内に、正しい手続きを経て、形にしなければなりません。

学校の手引きやマニュアルを見れば、どうすればいいか分かるでしょうか?
それは、経験上ほぼ期待できません。

なぜなら、学校のデータで残っているのは、運動会なら運動会の担当表、作成した文書、実施要項くらいであることが多いです。手続きの完成形と、運動会の流れが分かっても、それぞれを組み立てていくために、どんな順番で、誰に話を振って、会議にかけていくかは書かれていないことがほとんどです。

学校ではノウハウが形として残っていないことが多いのです。

【どないしろ言うねん】
仕事の手続きや進め方をどうすればいいでしょうか?
どうやったら、毎年形にされていた文書を完成させることができるでしょうか?
どこまでやれば、組織的対応として通用するでしょうか?

分からないことは、前年度にその仕事の担当だった人に聞くこと、同じ分掌内でどのように対応していたか知っていそうな人に聞いてみる、逐一お伺いをたてながら進める、くらいしかありません。

前任者が異動や退職でいなくなっていたら悲劇です。

前年度の資料をそのまま今年度式に書き換えればいいものなら、そうしたらいいですが全校行事となると、相談と根回しが多発しますし、前年度反省をもとに再構築する部分があったりします。

日々の授業や保護者対応などをこなしながら、準備しながら、この捉えどころのない分掌の仕事って何なんだ…?

【リーダー像】
冒頭のリーダーにあたる人も異動してきたばかり、仕事の概要をざっと見て、運用のことは知らないけれど、分担すべきところを「指示」という形で投げまくっているようです(だから、聞いてもとんちんかん)。

一方、何年も運用と基準(運用を考えるときの根拠となるもの)についてかかわってきたリーダーなら、逐一つまずいている所はどう対応すればいいか答えることができますし、何を用意しなければならないか伝えることができます。これなら、はじめの一歩をどうするか、これによって次にどう進むか理解できますし、もれなく仕事ができている実感がもてます。

学校に必要なことは仕事の進め方やノウハウをどう残し、継承していくかだと思います。型通りのものをやっつけで終わらせた仕事に反省や改善はほぼ見込めません。

教員には異動があり、分掌内の先生も毎年入れ替わります。そんななかで、仕事を安定的に続けるにはどうすればいいか、どんな形で主体的に取り組んでもらえるか、リーダーはそれを考えたうえで役割を振ることが必要じゃないかなと思います。