担任の先生より

1006)特別支援学校 急な排せつ(大)に対応する

特別支援学校では、排せつの支援(介助)も行います。

大抵の学校は、在校中は教員しかいない訳で、授業をしたあと「自分でトイレに行っておいで」と言ってできる児童生徒は、印象ですが全体の2割くらいでしょうか。もちろん、肢体不自由の学部と、知的障害の学部では比率が随分違ってきます。

【肢体不自由の学部の排せつの支援】
肢体不自由の学部では、学部ごとに教室がかたまっていて、それに付随するように特定のトイレを学部ごとに使用することが多いです。

トイレの大きさだけでなく、ベッドやストレッチャータイプの介助台があり、所属する児童生徒の性別や体の大きさによって使い分けがされています。

学部や学年ごとに場所が決まっていれば、物品をどこに配置するか、誰と誰が同じ場所を使うので、順番に配慮することが必要だ、みたいに計算や段取りができるようになります。

現に、ベッドごとに児童生徒名の入った棚やカゴが配置されていて、それぞれ違う品目や大きさ、ストックのボリュームなどの違いが見られます。トイレットペーパーは学校置きのものを使いますが、物品はそれぞれの家庭で準備してもらい、適宜補充をしてもらうことになります。

ありがちなのは、防水シート、ペットシート、おむつ、お尻ふき、ゴミや汚れた衣服を入れるビニール袋、ゴム手袋くらいで、着替えの予備は教室のカバンなどを入れる個別のロッカーに入っていることが多いので、漏れが激しい場合などは、着替えをもってトイレに入ることが必要になってきます。

【知的の学部の排せつの支援】
同じ学校だから、知的も似たようなものだろうと思われるかもしれません。が、私は随分違うと思っています。何かと言うと、肢体不自由の学部は、介護の技術を多く活用して、決まったところで、決まったように介助することが主ですが、知的の学部だと、場所と物品と児童生徒の安全管理を同時進行でやらなければならない、というのが違うなーと思っています。

まず、場所ですが、知的の学部だと車いすを使うことはかなり少なく、移動範囲が広く、移動場所も増えるので、多くは常にトイレ用物品を持ち歩く訳でなく、臨機応変にどこで対応するか決定しなければなりません。

体育の授業で漏らした!となったら、子どもが動かないようにキープして、その他の子どもが濡れた床面に触れないようにする配慮が必要です。トイレの物品や着替えがないので、教室まで教員(物品の在り処を知っている人)が取りに走ることになります。

漏れが軽微または外に出ていなければ、子どもを誘導して教室まで行って物品・着替えをとって、トイレに移動して着替えをすることになります。

【物品・着替えの段取り】
着替えが完了するまでに、途中で「コレがない!」と思っても、声の届く範囲に人がいないことがあります。そのため、子どもをまずトイレに行くことが先決と思って、突っ走ってしまうと身動きがとれなくなるので、冷静に必要な手順と、それに伴う物品をイメージしなければなりません。

判断するときに必要な情報
「小だけか、大もありか」
「どの範囲まで濡れて(汚れて)いるか」
「着替えは必要かどうか」
「汚れものがでたとき、どこに入れるか(捨てるか)」
「子どもの安全確保、トイレ誘導、物品調達を誰が、誰と連携して行うか」

普段から、着替えなどの補充や準備ができているかが重要です。下着のスペアはよく気が付くのですが、靴下のスペアは見落としがちです。また、スペアを使ったら、翌日すぐに補充してもらわないと、しばらく保険なしの生活になるので、着替えて終わりと思わないことが大事です。

これまでそうやってきたと思って、日々こなしていますが、授業を含めて、指導しながら配慮や対応することが多すぎると思う今日この頃です。