職寝室にいると、後方から「どうする…?」などという声がしてきまして
なんだろうと振り返ると、教育実習生と隣の学年の先生が授業の設計図みたいな指導案を見ながら話していました。なんのことかと言うと、「数の概念にふれること」、「5までの数」、「教材はいまいる先生がやっているものを引き継ぐ」というものでした。
こりゃ、難しいぞ…と思いました。
【難しいと感じたこと】
- 「数の概念を知る」が目標になっていたことです。
数といっても、生活のなかで見られる数は「個数」や「順番」のほかに、単位で基準をつくって示される「長さ」や「時間」、「重さ」などもあります。数をどのように示すのかが曖昧だったこと、指導の方法が「口頭で数えている間」という目に見えないもので学習を促すものだったことから、難しいと感じました。 - 「教材が決まっていたこと」
目標をたてて、それを達成しつつ、教える側の知識や考え方を活かしていくならば、それに見合った教材と、教材の示し方を検討していくものだと思いますが、今回は教材が決まっているとのこと。教材も使い方によって多少融通が利きますが、やっぱり難しいもの、目標を達成するために、子どもの実態を考慮したとき、合わないものもでてきます。生活経験も物事の概念形成が十分でない子どもたちには、「時間」と「量」は分かりにくいものではと思いました。
【そういえば】
昔、教育実習やリハの臨床実習で、先輩などのやっているものを、そっくり真似てみる、というものがありました。今回も同様のケースだと思いますが、これって良し悪しだなぁと改めて思いました。
目標を設定して、さぁこれをどうするかと考えた時、引き継いだ教材や道具が的外れだと気付いた時の残念さはどんなだろうと思います。同じものを使ってと言われているのでお断りする訳にもいきません。それでも何とかやってみて、終わったあとで鋭い指摘があったら、何て答えたらいいでしょう。
なので、教育実習生に伝えました。目標から物事を考えないで、引き継いだものを使って、何かいいものを作ってみよう。それに伴って狙える観点や目標を設定すれば、辻褄(つじつま)が合う。そう言いながら、自分ならこんな感じで授業を組み立ててみると例を示して帰りました。(後、どうするかは実習生さん次第)
引き継げば、教材準備をしなくてもよく、どのようにやるかは真似ればいいので楽かと思うこともありましたが、案外そうでもないですね。