ネットで、「支援学級がいいか、支援学校がいいか」、という記事がでていました。
どっちだと思いますか?
私は、「その子にもよるし、家族の状況にもよるし、地域にもよる」と思っているのですが、それだと答えになりません。何をもって正解と思うのは人それぞれですが、まずは学校を決めるときにどんな項目を確認することが大事か、ある程度分かっていること、自分(子どもや家族)が日々を過ごすために必要な条件(範囲内)であるかが分かっていることが大事だと思います。
それをもって、取捨選択や判断ができたかどうかが重要だと思います。無知なせいで変な期待感をもって、毎日「こんなはずじゃなかった」と不満ばかり抱くのはハッピーじゃありません。
【選ぶことって、意外と難しい】
ネット記事はさておいて、自分だったらどのあたりを確認するかな…と考えてみました。(見落としや、コレ忘れてたがちょっと怖い)
今は、余程学校の実情と、子どもの実態と、保護者の希望の乖離がない限り、「こうしたらどうですか?」はないと思いますし、とにかく「選択肢は提示するので、あとは保護者の方がいつまでに決めてくださいね」が多いんですね。
例えば、外出していて、決められないから「お寿司にする?」と提案されたら、「えー、そこは〇〇だからなー」と色よい返事をせず。
「じゃあ、〇と△と□がありますよ」と言われたら、「そんなー、いろいろあって決められないわ」みたいな。「じゃあ、こっちで決めたるわ」か、「近いとこにしときな」って言いたくなります。
選ぶって、本当に難しいですね。
【決定から準備へ】
学校では、新年度に向けた準備もあるので、あんまり引っ張られるのは困ります。ヒドかったのは、新年度が始まる数日前に「決めました」です。あのね、始まる前に決めてねとは言われているでしょうが、学校は学級数、教員数、物品調整など、いろいろな手続きと準備をしているの、それをひっくり返されたら、全部やり直しというケースもでてくるの。
これをされて、一番割を食うのが担任とその学年の先生です。書類は届き次第順番に、と思うのでしょうが、担任は「急には準備できません、入学式から1週間で整えるので、それまで登校は控えてください」とは言えないでしょ。数日間、通常の会議や全校的な会議や作業をした後、深夜まで教室の準備をして、対応している先生を見たことがあります(無給)。
それで、「色々悩んで、やっと決められたのよ」って顔をしてくるのを受けて、「大変でしたね、でも、なんとか入学式に間に合ってよかったです」とか答える訳です。
【サービス】
学校を決めるにあたり、何に留意すべきかですが、これについて、「どんなサービスが受けられるか」、「どんなことをやってもらえるか」ばかり考えている方が非常に多いです。
まず、手をかけてもらうことが子どものためになる、と考えるのはやめた方がいいです。買い物のクーポンみたいに、クーポンがあるから使わなければ損、みたいなことは、不要なものを買ってしまうことになり、不要なことに付き合わされる要点をおさえた子どもの支援を阻害することになります。
難しいことは、子どもがどんな子か分かること、集団のなかでどう過ごすか計算できること、子どもにつけたい力は何か大きなポイントを1~3個ほど列挙できること、妥当な学校生活の環境を作ること、見えているものを受けてどう対応するか検討できることです。
理由も明確でなくていい、とにかく手をかけてもらって満足される保護者がいると、あまり色々深く考えず、言われたことを忠実に行う先生をつけたほうが、摩擦が減ると考えます。しかし、近年このような先生は減っていると感じます。
よく考えて、意味のあることを、合理的にやろうという先生が増えました。一方で、言われたことをすることが正解で、深く考えることを避ける先生も目に付くようになってきました。
前者の先生だと、価値ある指導が大事と思っているのに、保護者の理解不能な要求に振り回されて負担感を感じることになります。後者の、よく言うことを聞く先生がついたとき、保護者は「投げなければ先生は動かない」「ちゃんと指導してくれない」と考え、先生の尻をたたくことが強化されるケースが散見されます。