担任の先生より 未分類

1019)特別支援学校 若者に必要なのは現実か夢か 

学園祭の季節です。

10月や11月にはあちこちの大学で学園祭が催され、発表や販売や展示、体験コーナーなどがあって、参加するのが楽しいです。この機会に、各地の大学の中がどうなっているのか、どんなことが学ばれているのか知ることもでき、大学の役割である地域貢献が果たされていると思います。

中には、年齢も社会的立場もなければ、ここで学んでみたいなぁというところもありました。それくらい、私にとって刺激的なものでした。

中には、売店ばかりで、何を見たらいいのか分からないところもあり…。学園祭の主催がどこか、どの団体やサークルが主に参加しているかが関係しているのかなと思いました。

【教育関係】
大学の中には教育系の学部もあって、今の教員養成はどんな様子か見たいと思いました。学校の現場にいると、日常に追われて学校教育に関する施策がどうなっているかタイムリーに感じることが、なかなかできません。一方、教員養成は学校教育はこうあるべきで、こんなことが必要なので準備しろ、みたいな形があって、学校の日常から離れたところにいるので、先入観や固定観念なしに様々な情報を受け取れると思います。

展示の中で、学生さんがつくった絵本がありました。「絵が得意だから作ってみました。ご意見ください」みたいな感じでしたので、何か書いた方がいいかと思いましたが、今ある作品を見ていいところを書く、作者のレベルを見極めて達成できたところを書く、などを考えましたが、学校の現場で読み聞かせるときに、この作品は使えるかどうか、という視点がむくむくと湧き上がってきまして

自分の中では、「実際には使いにくいもの」という評価をしたので、使えるために必要な観点を3つほど書いて提出しました。

あの感想を読んで、それを受け止めて考えたら、ひどく傷つくかもしれません。作品の根本を見直す必要があるからです。大学生の段階だから、夢や希望や今を大事に考えるべきか、数年経ったら学校や幼稚園に行くことを想定すべきか、葛藤はありました。

【現実】
現在、勤務している学校では新卒であろうと授業を担当し、様々なことに追われながら、隙間の時間で教材研究(準備)をしている状況です。長い時間をかけて作った教材について、じっくり練って、必要に応じて改良する余裕はほぼありません。

実際に担当する授業の直前で、組み上げた授業案と教材がイケてないなどと言われたら、途方にくれてしまうでしょう。側にいる先生も、それが分かっているから言わずにスルーすることがあります。授業力と言われますが、それはいつ磨くのでしょう。咀嚼して理解するための時間をどうとればいいのでしょう。子どもたちを目の前にして誰に授業づくりの相談をすればいいのでしょう。

【感想を書く紙に書いたこと】
絵本を描いた学生さんは、「私は学校の授業のためでなく、読んだ人に何かを感じて欲しかっただけなのに」と思っているかもしれません。

それでも、私から振ったことは、以下のようなものです。

  • 絵本に出てくる子どもの年齢が分かりにくいです。
    絵に出てくる子どもの描き方について、5歳児~小学校5年生くらいに見えました。年齢によって体型が違います。登場人物に共感したり、愛情を向けたりするには、どんな人か分かることが必要だと思いました。
  • 主人公は誰か
    描かれている子どもが主人公だとしていますが、文中の「わたし」は明らかに母親になっているので、読み手の立ち位置や、絵本の絵が誰の目線からのものか分かりにくい。
  • 絵本を通して伝えたいことが分かりにくい
    登場する子どもの心情に寄り添えばいいのか、子どもにかかわる母親の心情に寄り添えばいいのか、絵本から何を感じるか、作者のメッセージやテーマがブレているように思えました。