担任の先生より

1022)特別支援学校 廊下に飛び出す

学校には学級があり、学級ごとに教室が準備されています。

学校という建物(枠)があり、建物として設計された教室の数は一定です。受験などを実施して、教室の数に合った学級数が設定できればいいのですが、特別支援学校は希望すれば、ほぼ全入です。そのため、年によって人数が例年よりもずば抜けて多いことがあれば、1人しかいない場合もあります。

一人でもその学年の学級は1つで、基本的に教室が設定されますが、あまりに教室が足りないと、どこかと抱き合わせて1部屋、といった工夫がされます。

思えば、保護者控室や教材室、カームダウン室、図書室など、いろいろな部屋がやりくりのあおりを受けて、教室に変化していきました。地域の学校の教室配置はゆるやかでしょうか?過密でしょうか?

【スタートからゴールまで】
歩行ができる子どもは、身体活動としての歩行だけでなく、周囲の環境をふまえてスピードをかえたり、横にどいたりするなどの安全に移動するための術を身につけられるよう指導しています。

ところが、何度やっても、何度言っても難しいところがあります。それは、教室からの飛び出しです。

教室からトイレや共同のゴミ捨て場、保健室などの特定の場所に行くように促したとき、教室の中(スタート)からゴール(国適地)までの導線が分かると、一気に廊下に飛び出してしまいます。

もし、廊下を誰かが歩いていたら、激突してしまうかもしれません。このい、「かもしれない」という予測がたたない段階で、かつ「見えているものに対応できるが、見えないものに対応できない」が加わると、安易な飛び出しにつながります。

「先日、廊下に人が歩いてきていないか、見てね」と安全に向けた対応を提案してみましたが、言われたときは何となくやるものの、自分で再現できないようでした。そこで、「車がきていないか、見てね」に変えてみると、多少自分で気を付けようとする雰囲気があり、継続すれば定着しそうな感じがしました。

【事故が起きないための工夫や配慮】
指示は具体的に、分かるようにと言われますが、「いつ、どこで、どのように」が再現しづらいと、定着しないことがあり、「パターン的で、やった経験があるもの」のほうが指導としてベターなことがあります。

廊下に車は走っていません。しかし、出る前に立ち止まる、左右を確認する動作は同じです。これは車いすを押している大人にも同じことが言え、廊下に人はそんなにいないだろう、車いすが見えたら立ち止まってくれるだろうという、普段の合理的配的な甘さがあって、廊下などに車いすを先に押し出してしまいます。

手間でも左右を見る、見にくかったら、大人が先にバックで出て見回してから下がる、社会で共存する難しさと学習機会が特別支援学校にはあります。