リハビリ系の学生さんが書いていた症例報告などのレポートに、症例(患者さん)の「第一印象」という項目を立てて書くことがありました。
最近、個人情報について厳格になってきたので、ケースレポートが書きにくくなったと聞きましたが、どうなのでしょう?とにかく、第一印象は主観が入っても良く、そこで気づいた「あれ?」がその後に患者さんとかかわるなかで確かめる、掘り下げる、その他の気づききっかけになる、などの役割があると思うので、なかなかあなどれないものだと思います。
例えばですが、「第一印象は猫背で目が合わず、伏し目がちで、人付き合いが苦手だと思われた。」でもいいと思います。言葉は主観だらけですが、これだけで見ていない、声を聞いていないベテランの技士よりも5歩くらい先を走ることができると思います。(だって、見たと見ていないは、それくらい大きい)
多分、そこから家族関係はどうなっているか、社会性に関するバッテリーテストをやったり、生活習慣について確認したりするのかなと思います。また、その人に対する態度(接し方)も第一印象から工夫することができます。おとなしい方だと、ハイな感じでグイグイいくと、引いてしまったりするかもしれませんし、「あの人はちょっと…」と拒否られるかもしれません。
一人40分の個別リハなどでは、その時間をどうするかに集中できますが、学校ってところは、それだと通らない条件があって、なかなか難しいです。
【その場だけで済まない環境】
まず、部位や特定の動作の練習を中心にするのではなく、「学校生活全般」が守備範囲になり、それが毎日続くので、場当たり的な迎合をすると、その後が困ってしまいます。大人も子供も大勢いるので、示しがつかないけじめがつかないことを通す訳にはいきません。
また、1日5時間以上かかわるので、常に緊張感をもって…とやるとお互いにくたくたになってしまいます。そのため、「〇〇をする」ではなく、「〇〇は考えるけれども、営みのなかでできる△をする、あわよくば〇も考える」にしないと集団をカバーすることができません。
【最初が肝心】
先々のことがあるので、「最初が肝心」です。
第一印象をもとに、子どもとの距離感や態度を決めていきます。
その後、フレンドリーな雰囲気を出すか、厳格さを出すか、やさしさを出すか、それとも…。
あまりにも最初の態度から急変すると、困惑させてしまいますし、余計な誤解や期待を抱かせることになります。始めは様子をみて、方針や指導の方向性、コミュニケーションのありかたを決めていきます。