学校の文化 担任の先生より

1120)特別支援学校 教員の労力を軽減する教材

児童生徒の目の前に教材を提示し、見て、触れることで物体の特性を把握させる取り組みをしていました。

教材は児童生徒の学習机の上に置かれ、横並びになった子どもたち一人ひとりの目の前に提示するには、先生がそのたびに机を持ち上げる必要があり、側から見てちょっと大変そうです。

「子どもたち一人ひとりに、教材に触れて学ぶ」ことについて、目的は達せられています。教員は子どもとかかわりながら授業をすすめることができています。

【授業環境】
授業の準備や片付けについて、明文化はされていませんが、気に留めておくことがいくつかあると思います。それらすべてを頑なに守れというものでなく、効率性や安全管理などを意識するとそうなった的なものです。

児童生徒の指導や安全管理が成立したうえで実施できること。

児童生徒を過剰に待たせない。

あちこちから教材を集めてまわらず、手近なもの、調達が複雑でないもの。

設置した教材を教室にまとめるなかで、事故やトラブルになるものを放置しない。

教材を取り出すところを、やたらと児童生徒に見せない。(⇒勝手に出そうとして転落する、触って欲しくないものを見つけて触る、などが想定できる)

今回、学習机を使ったのは授業を実施する場所で、机は簡単に準備でき、その他の教材を準備する必要もあるので、授業準備の合計時間を少しでも短くするためだと考えます。

【それでも】
バランス感覚や授業者の体力や雰囲気にもよると思いますが、授業をするなかで「教員が余裕をもって進行できること」「教員が子どもや授業展開をじっくり観察(確認)できる余力」も大事で、そこを保証するためなら、今回はそこの準備にかける10秒よりも価値のある学習環境面(教材)の工夫をしよう、ということになりました。

教室に常時置いてあるキャスターつきの、プラスチック教材ボックスに、天板広めの段ボールをかぶせて、学習机の代わりにすることにしました。

アイディアと材料集め、形をつくるところまでは私がやり、色や飾りをつけるのを担当の先生にお任せしました。

これで、子どもの前を動いては止まり、動いては止まり、が少し簡単になるでしょう。キャスターつきなので、少し角度を変えてみせることもできます。

【大事にしていること】
授業の目標を達成すること、子どもと一緒に体を使って学ぶことは大切なことと思いつつ、タスクを抱えたがために、見るべきところが見られない、工夫することで新たな視点は発見に到達できない、というのは勿体ないことです。

少し手をかければ、その後が楽になる

タスクや配慮事項が多いなかなので、いま、そんな教材や視点が大事だと思います。