某都道府県において、保護者からの要望が強いということで、学校(ここでは小学校)の開門を午前7時にすることが決まったそうです。
これについて、すでに実際に行っているところもあるようで、7時まではいかなくても、8時には門扉が開き、子供たちが登校しているところは珍しくないそうです。
【特別支援学校ではどうか】
教員の始業は、学校ごとに少しずつ違いますが、8時30分として、8時には高等部の生徒が校舎内にいて、玄関近くのスペースに座っていることがあります。
彼らは挨拶をしたり、雑談をしたりしていますが、不必要に教室を物色したり、お菓子を食べたりすることはありません。さすが、自主登校できると認定されているだけのことはあります。
あと、スクールバスがありますが、ルートごとに到着できる時間は違っても、下車できるのは教員のお迎えタイムになるまで、車内で待機です。
医療的ケアの対象になっている児童生徒は、保護者や別便のバスで登校しますが、これは全体の動きを妨げない、または非常時に妨げられないために、やや遅めの時間に到着して、校舎に入ることが多いです。医療的ケアは、容体の変化や痰の吸引などの手技を伴うことがあるので、移動中も、到着後もフォロー体制が整わないといけないので、環境整備が欠かせません。
【開門7時】
特別支援学校では、児童生徒の到着を公に早めてしまうと、スクールバスの運行が前倒しになり、乗務員さんの出勤だけでなく、有事の対応のために教員が職員室に詰めることになる可能性が高まります。
医療的ケアなどがあれば、看護師さんや、医療的ケアが実施できる教職員の出勤を早めることになり…というころになるので、現実的ではないと思います。
通常学校(小学校)の開門を早めることについて、内田良先生が動画で、「教員が頼りにされてしまうのではないか…」みたいなことを動画で言っていましたが、その通りだと思います。これまでも教員が忖度して自主的に出勤を早めてきた経緯がありますが、これに拍車がかかることになると思います。
【行政サービス】
実施を決めた区市町村の長は、「学校に迷惑をかけない」みたいなことを言っていましたが、体のいい丸投げだと思われます。
・校内で起きた事故(ケガ)などは誰が対応するか。
・校内で物が無くなった、どう対応する?
・いじめが起きた時、「誰も見ていませんでした」「時間外です」が通用するか。
・お菓子の持ち込みなどにより、アレルギー反応が出た。
・アレルゲンのある食べ物を放置していて、通常の登校後にショック症状が出た。
・進入禁止のはずのプールに入って、いつの間にかおぼれていた。
イヤだとかいう話ではなく、学校はその場限りにならないものが多いので、安易に開かれたら困ると思います。どうせなら、地域ごとの公民館などの地域の拠点を開放して、時間になったら集団登校するくらいでいんじゃないかと思うのです。