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211)訪問介護の仕事をクビ(?)になった話

もう、随分昔のこと(20年?)になりますが、リハビリテーションの学校に行く前に、「身体に触れること」、「自然な雰囲気で支援ができること」、このあたりを意識して、ホームヘルパー2級をとりにいきました。

【介護の現場デビュー】
作業療法士(OT)の学校に行きながら、同級生から紹介してもらった訪問介護のところに行きました。
2週間くらい、一緒に行って、それから独り立ちにしましょう。」とうことでした。

しばらく、夜勤の運転手を中心にしていたのですが、
とにかく、そこの利用者さんは女性が多く、私は部屋まで入って挨拶すつことはあっても、ついたて(目隠し)の外や、部屋から出て待つように言われることが多く、何をどうしたら分からない状態が続き、変わることはなさそうでした。

混むと焦る

【仕事ができないよ、どうする?】
私は社長に現状を報告し、「2週間後に独り立ちといっても、内容が把握できないのでそこまでたどりつけそうにありません。どうしたらいいですか?」と相談しました。

社長はしばらく考えてから、「その状況なら仕方ないね…。」といったことをつぶやいて、介護とはどんなものなのか、語り始めました。
私には、仕事にたどりつけない自分に何の関係があるのかと、半ば憤っていました。

悪く言えば、私は男性で、実際の訪問介護で独り立ちすることは難しいと分かっていたはずです。なので、結果的に言えば、試験採用(お試し)の間だけ、運転手として体よく使われただけでしょう。

ちなみに、運転手はあまり意味がなさそうに見えて、すごく助かる存在です。
ディケアなどの事業所だと、送迎しながら利用者さんの様子を見ることができます
利用者さんをマンションなどに送り届けている間に、駐車違反になったり、行き交う車の邪魔になったりしていないか気になったりすることがなくなります。

【学べたこと】
憤りはありましたが、今思えば運転手の役割の他にも、たくさんのことを学ぶことができたと思っています。

①夜に移動しながら介護のために仕事することの大変さ。
②家族の心情や要望に応えること。
③触れる前に、手を温めたり、消毒をしたりすること。
④置いてあった、ホコリをかぶった松葉づえや舗装靴、以前歩けていたことを語るものを見ながら、居室に入っていくときに感じた喪失感。
⑤できる介護士、新人が助け合いながら仕事をすすめていくこと。 など

【介護の仕事は難しい】
介護の現場は、どこであれ利用者さん(患者さん)の住んでいる場になることがほとんどだと思います。
体験したことは一部でしょうが、本当に細やかで難しいと思います。

しかし、この日常の場が中心になって生活がまわっているのです。

刻んで進む時間、1日の流れ

医師や、リハ、看護師(一部を除く)などは、その中の一部で、栄養ドリンクみたいなものかもしれません。
だからこそ、その短い時間の間にできること、いて良かったと感じてもらえることをすべきだと思うのです。

蛇足ですが、いつか護の現場での復帰できたらな…とも思っている私です。

https://magomago1.org/210howdoyouseeaboutoneyear202009/
前回は、主に学校ネタ「210)時間の流れ(1年ごと)を感じられるようにする学習(工夫)。」でした。

https://magomago1.org/212letsshareyourgoodideas202009/
次回は、「212)元専門家(OT)の努力が周りの先生にどんな影響を与えているか」です。互いに異なるものが、互いに嫌悪しあう状況をどう捉え、どう改善していくのか考えてみました。