こんにちは、雑賀孫市です。
先日送られてきた「日本作業療法士協会誌 第102号 2020年9月」に、日本にいる作業療法士有資格者の数と、協会に入っている人の数などがいろいろと詳しくでていました。
【全国に作業療法士は何人いるか】
有資格者数は9万9788人、うち協会に入っているのは6万2312人で、組織率は63.7%
養成校の数は193校あり、入学定員は7650人とのこと。
【増え続ける技士の数】
入学定員は変わらず、国家試験の合格率が80%としたら、毎年6000人ほどの作業療法士が世に出てくる訳です。
ゴールドプランの勢いを得て、養成校がどんどん増えていた時代も、すでに「〇年後には就職先がなくなってくるから、今のうちに…」と密かに言われていました。
しかし、今も就職先があります。職域の開拓や専門職として社会の役にたつことを訴えてきた先輩方の努力の力は大きいと感じています。
入っていける病院等が増えたり、1施設あたりに入職できる数が増えたりしたこと。
これまで作業療法士が入っていなかった分野に参画するようになったこと。
独自に、これまでなかった新しい仕事を生み出して、そこで活躍するようになったこと。
これらが作業療法士の飽和に歯止めをかけているのだと思います。
しかし、このような組織力を頼りにせず、独自に仕事をする人が増えてきたことが、協会の組織率を下げることになった一因ではないかとも「思っています。
それにしても、リハビリのアルバイトの時給は地域差や、これまでの経緯もふまえて、などはあるにしても、昔は時給5000円くらいあったのに、今では最低労働賃金レベルのものもでてきました。
そこはなんだか買いたたかれているみたいで、悲しい…。
【内訳などの数字より】
さて、内容をざっと見ていくと、いろいろなことが見えてきました。
私は学校(養成校でない)系ではないので気になったのですが、関連国家資格取得別会員数というのがありました。作業療法士の資格以外に、どんな資格を持ち合わせているかというものです。
そのなかで、「特別支援教育教諭」をもっている人は120人…。
協会に入っている人も相当数いることは分かっていますが、たったの120人…。
ちなみに、「特別支援教育教諭」という資格は存在しません。
小学校、中学校などの通常学校の教員免許は含まれていないのでしょうか。
この統計にあらわれている120人は、自立活動教員免許の、採用試験を受けるために使える基礎免許と、特別支援学校教員免許(専門性の証明書みたいなもので、採用試験を受けるために使えないもの)の数がミックスになっているのではと思います。
理学療法士協会では、内部専門家、外部専門家と特別支援教育にかかわる技士の在り方で呼び方まで変えているくらいですから、教員免許の違いも統計に反映して欲しい…(涙)
せめて、「教員免許」とひとくくりにするか、「小中高の基礎免許」、「自立活動教員免許」、「特別免許」ともう少し詳しく調べるとか。
併せ持っている資格で多いと思ったものは社会福祉士(279人)、精神保健福祉士(251人)、介護福祉士(介護福祉士)、保育士(256人)でした。
その他については、介護支援専門員(5100人)、ホームヘルパー(2級と1級あわせて1976人)、福祉住環境コーディネーター(合わせて8169人)、福祉用具専門相談員、福祉用具プランナーが多いほうだと感じました。
【感じたこと】
・超高齢社会、少子化について考えたとき、それをつきつめて考え、学んだ証(資格)をもっている人がすごく少ないと感じました。
・特別支援教育への参画と活動をしていますが、学校組織の中から作業療法のよさを浸透させていくためのチケット(教員免許)の取得率が極めて低いと感じました。
作業療法士は様々な環境や疾患をもつ方々の役に立つ専門性をもっていると思います。
しかし、玉虫色の看板を出しているだけでは、世間は認めてくれないことを自覚すべきです。
個人的にはリハビリテーション技士の資格1つで勝負できる時代でなくなってきていると思います。
すでに仕事についている人は、今ある場所で根と葉を広げることで社会貢献できると思いますが、これから作業療法士の資格をもって…という人は、例えば「パン屋」ではなく、「〇〇のパンを売る店」、のように付加価値やプレミア感をつける必要がでてきているのではないかと思えるのです。
私も1つのところに留まる人ではないようなので、時代に合わせて、ニードに合わせて自分をカスタマイズしてきました。そうやって、恐竜のように絶滅しないようもがいているのです。
https://magomago1.org/220creativelifeinhistown202009/
先回は、「220)田舎の生活様式を町の生活に持ち込む」です。生活を知恵をいろんなところで発揮しましょう。