木村勝(2017)「働けるうちは働きたい人のためのキャリア教科書」、pp50のなかで、「2:6:2」の法則というものが紹介されていました。これによると、「集団が形成されると2:6:2のグループに分かれ、上位20%が高い生産性や業績を上げる優秀な人たち、60%は上位とも下位ともいえない平均的な人たち、残りの20%はパフォーマンスの低いお荷物的な人たちに分かれるという法則です。」と述べられています。
これは、確か蟻の巣と同じで、働きアリが多くなると、一部は必ずナマケモノになるというやつでしょうか。
もしかしたら、どこの職場にもあることなのかもしれません。
【部署ごとに分けるということ】
全員で同じことをするとナマケモノがでても仕事は進むと思いますが、仕事の内容が複雑になってくると、ナマケモノのために特定の仕事が進まないことになります。
そのことからも、必要な仕事を部署ごとに分け、チームで責任をとるようにするシステムは効果的です。
チームの中でナマケモノがでても、チームで助け合うようにすれば、必要な機能が欠けることなく組織が維持されていきます。
それを考えると、部署割を考えた松下幸之助さんは、やっぱりすごい人なんでしょう。
【学校の組織に見られる変化】
一番下のナマケモノがいなくなるよう、自己申告制度で自らの職務に目標を定めて取り組むよう促したり、指導力不足教員が現場にいなくなるよう、地方教育行政組織法(2002)の改正により、指導力不足教員を教職以外の職種に配置転換することが可能となっています。
また、不適格教員を教壇に立たせないよう教育公務員特例法が改正され、「指導改善研修」を実施することを義務付け、それでも改善されない教員を免職できるようになっています。
では、それぞれが自分の責任を果たす、適正な教員ばかりになったかというと、そうともいえません。
今度は特別支援教育、総合的な学習の時間、道徳教育、英語、情報教育などがはいってきて、2:6:2の「6」が担うものがどんどん膨らみ、そこから漏れたものが最後の「2」に振り分けられるようになってきました。
メンタルヘルスの相談の窓口はたくさんできました。
しかし、メンタルヘルスに支障をきたした原因の追究や改善はあまりなく、重い列車は走り続けています。
【どうするか】
仕事を長くしていると、どこに力を入れ、どこで抜いていいか分かってくると思います。
この感覚のフィルターに仕事全体を通してみることが必要だと思います。
①どこが昨年同様でできるか見て、繰り返す学習を忘れない(職員研修など特に)。
②どこが効率的で楽で、効果がでるようになるか工夫する。
③100%を求めない。
④毎日、どこまで仕事をするか決める(時間単位で)
⑤どんな一日であっても、自分はよくやっていると、自分を認める。
⑥疲れたら勇気をもって休む(休んでいる間に、その人がいない時どうするかの研修になる)。
【ダッシュではもたない学校の仕事】
もし、あなたがリハビリテーション技士の資格があるなら、1単位20分、1人あたり3単位をどう過ごすか知っているはずです。
もし、学校という場に入ってしまったら、リハのように60分を6セットで終わる訳ではありません。
授業などの児童生徒の指導のために10000mを走り、それが終われば校務分掌などのペース走をするのです。
そのため、まずは周りをよく見てください。
何があるか、誰がいるか、どう動いているか、何をするか、いつやるか、優先順位は何か、それが分かってからペース(自分がしたいことの実現)を決めても遅くないですから。
https://magomago1.org/247usingumbrellaisokorno202010/
前回は、「247)特別支援学校での校外学習で、「カサをさす」ということ。」という話題で、個別指導よりも集団の指導と安全確保を重んじる学校の文化を少し知って頂けるのではないでしょうか。
https://magomago1.org/249timingisimportantfordoinggooddiscussion202010/
次回は、「249)特別支援学校の摂食指導、時期によってもとめられる内容が違うかも?という話です。」