校内での歩行では、全介助、中等度介助、軽介助、見守り、自立(支援なく本人で)、といった段階があります。
【支援の段階付けについて】
なんとなく見かけたことがある子どもなら、おおよその見立てはつくのですが、ほぼ初対面の場合だと、自分が思っているより多めの支援からスタートして、少しずつ減らしたり、工夫していったりするほうが無難です。
【介助者の位置】
自立でも、何かあったら大変だと思うときは、1mくらい離れて歩きます。
(注意:あくまで個人的な意見なので、根拠はありません)
ただ、歩く人が行先について迷いなく自信をもって歩いているなら、それを尊重して横か後ろにつきます。段差があったり、行先に不安を残していたりするようなら、少し前に出てついてきてもらうようにしています。
介助をする場合は手つなぎから始まって、側方、前方、後方などつく位置は変わりますが、前方は運動よりもバランスや進行方向に関する支援の割合が強く、後方は身体を支えること込みで考えるときに使われることが多いと思います。
介助の位置は歩く人の能力によるところが多いですが、その方についた経験値や体力面も判断材料になってくると思います。
【学校でやってはいけない介助方法】
学校での介助歩行は一般的な禁止事項とほぼ同じですが、歩行能力を伸ばす、安全を確保することよりも、人権に配慮している、優しい雰囲気で、強制的でない、など見かけや建前重視のように思います。
このあたりが外部専門家(OT・PT)が読み切れていないかな?と思うところです。
知的障害部門だと過干渉は不適切だとなりますし、肢体不自由部門だと目を離してはいけないという暗黙のルールがあるので、複数の子どもを引率していようとアンテナをはって見ている必要があります。
【介助歩行の例】
「この子はこんなふうに介助して歩きます。」、「担任の先生はこんなふうに介助していました。」
これが引継ぎになります。そうして、その介助歩行のねらいや留意事項、何をとって何を捨てたか、などの情報がないことが多いです。
言われた通りにすることが良いこととは…(怒)
今回は、一方で手をつなぎ、もう一方の手をわきの下に入れ支える、という、とにかく歩行バランスに難があるので「離さない」ことがメインの介助を引継がれました。
その子は失調があり、右に左に体が揺れ、時々べたっと床に座り込む傾向がありました。
①そこに片側上肢だけの介助になると、体幹ともう一方の上肢がフリーになるので、体のコントロールがきかない状況はあまり改善しないとうことになります。
②頼りになる部分が介助者の存在だけなので、介助者によりかかる場面が増えます。
【改善方法】
私のほうが子どもより体が大きいので、そこを利点として使わせてもらいました。手つなぎはなしにして前腕から肘を下から抱えるようにつかみ、背中の上部にもう一方の手をのせて「体の中心」を伝えました。歩行の安定性は前より良くなったと思います。
【最後に】
支援方法は簡単で、効果的なものが好まれ、継続されやすいです。
しかし、今回は他学年の子どもですし、現担任や学年教員を否定したととられることは不本意なので、その場だけの話にしました。 保護者や疾患特性のことも影響しますし、それだけ、指導方法を変更するということは難しいのです。
https://magomago1.org/1813volumeofspecialeducationschool202011/
前回は「276)特別支援学校にまつわる、いろいろな数について紹介します(令和元年度分)」でした。
https://magomago1.org/278lackspecialeducationschoolclassroom202011/
次回は、「278)特別支援学校の教室が足りないって、どゆこと?」というお題になります。