学校の文化 担任の先生より

278)特別支援学校の教室が足りないって、どゆこと?

特別支援学校に通う児童生徒の数は年々増加してきています。
学級数が増え、教室が足りない。

そんな話を聞いたことはありませんか?

【全国の教室の不足数】
特別支援教育資料(令和元年度)によると、公立特別支援学校における教室不足について、
平成28年10月では3430だったものが、令和元年5月には3162と改善傾向を見せています。

【都道府県ごとにみてみると】
都道府県ごとの内訳を見てみると、改善=21不足数かわらず=4不足数増=22ということで、改善したというところの数値が大きく変化したことが原因で、全国的には改善していないとも見ることができます。

良くなってるのか、そうでないのか?

改善したところは、環太平洋ベルト地帯(今でもそう言うのでしょうか?)に入るところと、四国地方が健闘していて、逆に悪化したところは大阪府、北海道、九州地方などで、人口の増減や地方財政が影響しているのかもしれません。

【調査の数値と学校現場の様子について】
教室の数は、単に増築をして教室を増やしたかというだけの話ではありません。
学級数の増減により、必要な教室の数が決まってきます。

教室数が増やせない背景として、建ぺい率などの建築基準や敷地面積がネックで教室を増やすことができない、予算がないので学校や教室が作れない、などの事情もあると思われます。

では、どうやって現場では足りないなりに運営しているのでしょうか?

一般的によく聞くのが、1つの教室をカーテンやパーテーションなどの簡易な仕切りで区分けして部屋数を増やす方法です。他には図書室、音楽室や倉庫などを整理して教室に切りかえる、ロビーのような広めのスペースに建具を組み立てて教室を作る、などが挙げられます。

このような状況が続いても大きな改善がない理由に、「設置基準」がないことが挙げられます。
基準がないものにしっかりした教室がいくつ必要かは出せませんし、基準に基づかない要望に予算はでません。

【即席教室の弊害】
即席でつくった教室の弊害として、隣の教室の声が聞こえる、広すぎる、狭すぎる、無駄に据え付けの棚があって邪魔、だけの話ではありません。

広々ですわよ

災害時の出入り口の確保が難しい場合がある(出入口1つで、閉じ込められたら終わり)、不審者対策などの課題もありますが、どうにか辻褄を合わせて運用していると思われます。

なんとかできるなら(自助)、それが適切だと認める基準にするか、改善すると言うか、そのへんは今後の経過を見ていくしかなさそうです。

https://magomago1.org/277resourceshowtosupportofwalking202011/
前回は、「277)他学年の子どもの歩行介助を依頼されました」でした。

https://magomago1.org/279howtodrinkacupofmilk202011/
次回は「279)特別支援学校で密かにありがちな、「牛乳とお茶が嫌い」」です。飲まないことにはたくさんの理由がありますね。