肢体不自由を主とする特別支援学校にいて、たまーにあることですが
「牛乳を飲まない」、「お茶を飲もうとしない」といったことが見られることがあります。
【牛乳嫌いは特別なことじゃない】
マンガやアニメで昔はやった「キン肉マン」の主人公も牛乳が嫌いでした。
しかし、牛丼はしっかり食べていたので、摂食・嚥下には問題はなかったのでしょう。
他にも、飲み物のニオイがいやだ(味覚・嗅覚)
甘いものを飲むのは好きで、それ以外は飲みたくない(生活習慣、こだわり)
などの理由もあったりします。
【学校にいた子どもの場合】
その子は、食べるのが大好きで、形態食(やわらかくしたもの)をどんどん食べました。
身体は小さいほうですが、どこにこんなに入るのだろう?と大食漢ぶりに驚いたものです。
かといって、お太りになっている訳ではないので、よほど代謝がいいか、吸収されずにお外に行っていたのだろうと思います。
しかし、飲み物は拒否が多く、手でコップを払う(スプーンはそれほどでない)、口に入ると、唇が閉じきらずに外に出る、口を開けて外に出す(昔、志村けんさんがやっていた感じ)など拒否的な様子が見られました。
「牛乳が嫌いなんだから、食べる合間にサッとスプーンに入れて飲むようにすれば大丈夫」
どこからか、そんなルールで指導が行われるようになっていました。
【仮説】
だまし討ちのようでも、飲むことがある。
食べ物は意欲的に食べるので、牛乳や水分の形態に問題があるのではと思いました。
つまり、味の問題ではなく、飲みやすくなっていれば問題ないのかもしれない、ということです。
また、コップ飲みに不快感をおぼえる、というのもあるかもしれません。
【やってみた】
なので、やわらかめのご飯に牛乳をこっそり混ぜてみました。⇒全く嫌な顔をせず食べる。
おかずをスプーンにすくいとり、おかずで牛乳をせきとめるようにして食べてみる⇒食べる。
まぜるのが合理的と思い、ごはんと混ぜながら食べるよう促すと、どんどんいけます。
【分かったこと、悩むこと】
確信はもてませんが、彼の口を動かす能力に対して、牛乳やお茶はお口に取り込むのに流れが早すぎる(まとまりある形態でない)のだと思いました。
しかし、混ぜる行為は見た目が良くない点と、嫌いだから飲まないのだという教員間の共通理解をどうするか、が気になるところです。
https://magomago1.org/278lackspecialeducationschoolclassroom202011/
前回は、「278)特別支援学校の教室が足りないって、どゆこと?」ということで、令和元年度の教室の不足数を紹介しました。
https://magomago1.org/280schoolteachercommentsatapublicplace202011/
次回は、「280)特別支援学校で勤務する教員(OTもち)が講習会などで講師をするとき」の話です。