YAHOO!ニュースの記事のなかで、「洋式の比率はまだ57%…公立小中に和式トイレが多いのはなぜか」という記事がでていました。
その記事には
「1年生には和式便座の使い方を指導せねばならず、足の置く位置、パンツの下げ方、上げ方、お尻の拭き方などの細かい指導が必要だ」
「和式便座は不衛生で、掃除の仕方が分からないのはストレスだ」
など、諸悪の根源の和式便座を切り替えない学校は悪だ、と言わんばかりの記事がでていました。
最期に、「快適であればそれでよし」とも思えない。和式トイレの広汎性、必要性が薄れているとはいえ、和式トイレの使い方を学ばせることは、子どもたちに多様性を持たせ、「こうでなければダメ」を脱する学びになるかもしれない。」と付け足しのフォローが入っていました。
【多様性を認めることと、和式を容認するのは違う】
多様性や文化について学ぶなら、昔ながらの「ポットン便所」は失くしたらいけないし、畑の隅にあった肥溜めも失くしてはいけません。
あえて和式便器が存在するには、私は理由があると思います。
「人工的なトイレがないところで、どうやって用をたすか、いつ学ぶ?」
「人工的なトイレのある範囲でしか活動できないか?生活圏の狭小化につながらないか?」
と思うのですが、どうでしょう。
特別支援学校では、確かに存在こそすれ、使用頻度が少ないのは認めます。
理由として、足首の関節可動域制限があってしゃがめない、股関節と膝関節屈曲位を伴うしゃがみ座位の維持が難しい、なかには、腹圧をかけるために洋式便座にのぼってしゃがむ子どももいますが、衣服を濡らさずに実行するには和式便座だと厳しい…などがあります。
が、通常学校では和式について学んで欲しい…というか、本来これは保護者が教えるべきことではと思うのですが…。
【特別支援学校はどうか】
YAHOO!ニュースの記事では、通常学校のデータを出していましたが、特別支援学校についてもやっているのではないかと調べたら、ありました。
「公立学校施設のトイレの状況(特別支援学校) 令和2年9月1日現在」です。
都道府県ごとにでていましたが、市町村内の数も混じっているので、県同士、地方ごとの比較、全国的にどうかという統計まではとれていないので、手で計算して出してみました。
なので、多少の誤差などがあるかもしれません。その点はご容赦ください。
【和式率が最も高い県、低い県はどこか?】
みなさん、和式便座の比率が最も高いのはどこの都道府県でしょうか?
また、和式便座の比率が最も低いのはどこの都道府県でしょうか?
ちょっと考えてみて下さい。
和式はいいものだから、いくら家庭で洋式が増えたからといって、変えたりしないぞ!
洋式に作りかえるには費用がかかり、なかなかとりかかれないのです。
新しい校舎に建てかえているから、洋式率はあがっています!
いろいろな事情があると思います。
和式率が最も高いところ=38.1%の奈良県でした!
和式率が最も低いところ= 2.9%の富山県でした!
これにより、通常学校(小中)よりも、特別支援学校のほうが洋式便座率が高いことが分かりました。
【和式率が最も高い地方、低い地方はどこか?】
次は地方別ランキングです。
地方というと、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の7つです。
気温差は関係あるのか?
予算の多い・少ない地域があるのか?
地方により考え方に差があるのか?
ちょっと予想してみてください。
☆結果発表 -和式率高いランキング- ☆
1位 東北地方(28.2%)
2位 中国・四国(25.9%)
3位 近畿地方(22.9%)
4位 中部地方(21.8%)
5位 九州・沖縄地方(18.3%)
6位 北海道(17.3%)
7位 関東地方(15.7%)
何が影響しているのでしょうか?
保温便座が要るかどうか、予算か、いろいろ考えましたが分かりませんでした。
しかし、総じて3割をきっていましたね。
ちなみに、全国平均ですが
学校数10260で、便器の総合計48127個 ⇒ 洋便器38236個(79.4%)、和便器9891個(20.6%)でした。
【考慮すること】
特別支援学校には通常の和式、洋式便座だけでなく、座位保持つきの便器や、ベッド上で排せつ物の取り換えをすることもあるので、厳密にいうとすべてのトイレ器具を調査の対象にした訳ではないと思います。また、職員と児童生徒用の区別をしたかどうか、分かりません。
最期に、学校のどこに、いくつ、どんなトイレがあるか、全国に通達を出して数字を提出させたはずです。
ちりも積もれば山となる、学校の仕事を減らすことは難しいことみたいです。
https://magomago1.org/283howdoyouhavemindbetter202011/
前回は「283)正しい働き方について説く、「図解 働き方」より、どこでつまずいているのだろうと考えました。」でした。
https://magomago1.org/285howcanbearehabilitationdoctor202011/
次回は、「285)リハビリドクターって、どうしたらなれるの?」です。お医者さんって、整形外科や内科だけじゃないんですね。