特別支援学校における福祉用具、自助具、生活用品の取り扱いについて書いてみます。
校種によって違いますが、肢体不自由を主とする特別支援学校では車椅子がメジャーだと思います。
知的障害を主とする特別支援学校では、イヤーマフ(音の刺激を減らす、など)、補聴器などが使われ、生活用品ではマスク(コロナウィルス対応含む)、医療系だと保湿剤などが挙げられます。
【運用】
よく学校では「登校時と同じにして下校」、「忘れ物や、各種配慮への実施し忘れがないように」と言われています。
そのため、定時排せつ以外は授業や個別指導にあてられることが多いですが、ルーティンワークが増えると、その分それを実施と実施確認に費やす時間とエネルギーを必要となります。
優先順位は個別対応のものが優先され、授業や集団の指導は後まわしになります。
ルーティン>柔軟な指導
個別>集団
先生の中にも、決められたことをしているほうが安心とおっしゃる方もいて、そのような状況がいいという方もいれば、過剰なもの、必要以上の個別対応にストレスを感じる方もいます。
とにかく、配慮程度に…というものも、学校の現場では重く受け止められる傾向があります。
【処方】
医療現場では、様々な自助具が処方されます。
検査を適切に実施し、科学的に課題を捉え、それに必要だとされるものを導き出すことが役割と思いますが、その道具を使用する運用と、ラーニングコストをどうするかも含めて考えて欲しいです。
学校にとって医療はある意味権威として重視され、時には学校現場を過剰対応から守る歯止めになったりしています。
反面、生活面で有用性が低い(または、ほぼない)と思われる課題や自助具の処方にうんざりしていることもあります。そのため、必要性が低いものや、学校として実施しにくいものは検討されることなく「できません」と却下されることが多々あります。
【最後に
合理的配慮、個に応じた指導など、規格品の指導が敬遠される傾向が強くなってきています。
しかし、それを受け止める日常のマンパワーについて、ほとんど改善されずに教員の努力に頼って運用されているのが実情です。
こんなに個別化して、卒後も個別に丁寧に対応できる受け皿はあるんだろうか…?
さておき、学校によって、教員数が充足しているところもあれば、学級の児童生徒の安全を確保するのに精いっぱいで、身動きがとれないところもあります。
このようなICFにおける「環境面」は一見分かりづらく、見えにくいですが、実態把握と指導・運用の関連を考えるうえで、思っている以上に大きいファクターじゃないかなと思っています。
https://magomago1.org/309whatisyoungcarelorinjapan202012/
前回は「309)ヤングケアラーについての記事を読みました」でした。
https://magomago1.org/311testuseitemmadehappening202012/
次回は、「311)福祉用具、お試しをキズつけて返却って、あり?なし?」です。