特別支援学校で成績を書く時期になると、担任の先生が項目ごとに、児童生徒がどんな様子だったか、何ができたかと書いていきます。
それを学年内等で読み合わせをして、管理職に提出することがあります。
そこで話題、議論になるのが「言いまわし」です。
「て、に、を、は」の訂正などなら直せばいいのですが、専門用語の解釈や使い方などは単純にはいかないようで、その一例として「四つ這い位」があります。
【よつばいは動物?】
「四つ這いは、四つ足動物という意味で、これは差別用語です。」
「差別用語なので、訂正してください」
というのが使用反対派の管理職の意見です。
それに対して、書いた先生は
「他にどう書けというのか」
「差別だというなら、よつばいをする幼児は動物レベルだというのか!」
もう、何を議論しているかメチャクチャです。
漢字がそう感じさせるなら、「よつばい位」でどうですか?
他に表現があるんですか?など歩み寄りが、なかなかできません。
そこで専門用語の中にあるならば仕方ないと折れるのか、あくまで人権問題とするかは管理職の方の価値観が杓子定規か、本質を見て判断できるかによって結果は異なってくるでしょう。
【あくまで人権問題】
意見が対立してしまうと教員は、こんなことで議論しているのはつまらないと考えるようになります。
「よつばい位」の保持など、児童生徒が達成した内容を記載することを諦めて、当たりさわりのない内容に書き換えることがあります。
個人的には、床上から立位の間の過程は結構大事と思うのですが、くだらない議論をするくらいなら、連絡帳や口頭で保護者に伝えておいたほうがマシだと思うのです。
もし、「よつばい」という表現が禁止されたら、あなたならどんなふうに言語化しますか?
両手と両膝を床につけ、腰を高くあげた状態?いえいえ、これでは正確に伝えられないです。
困りました、やっぱり私も書くことを止めて他に変えちゃいますね。
【逆ギレ】
差別用語でなければいいんだと思い、定義づけられた専門用語をちりばめて、管理職に提出したことがあります。
「もう少し平易な表現で」
と赤ペン先生からの返事がきたので、分かりやすく書き直してさしあげました。
チェックするのは大変でしょうが、するならばもう少し勉強してくださいね、という言葉を今は退職した管理職の先生に贈りたいと思います。
https://magomago1.org/307overworkmakeateachersick202012/
前回は「307)病んできた先生のサインの例」でした。
https://magomago1.org/309whatisyoungcarelorinjapan202012/
次回は「309)ヤングケアラーについての記事を読みました」になります。