特別支援学校では、様々な仕事が定期的・不定期的、ルーティン的・突発的に降ってきます。
また、それらは大抵、分掌であったり、学部であったり、学級であったりと個人ではなく組織的対応を求める形で振ってきます。
なので、自己完結することは多くありません。
【降ってくる仕事】
授業(教科)、進路、音楽、情報機器、心身に関する知識・技術、統率力、保護者対応、教育課程の知識と運用、など求められることは様々で、今あるマンパワーの中から、その分野に長けた人が集まり、担当になる感じです。
勿論、得意でないのに担当になる場合もありますが、そういう時は得意な人についていくことになります。
その分野で能力が高い人は、仕事をことごとく抱え込むか、抱えさせられることが増えます。
その分野で能力がそれほどでもない人は、自分を主張せず、リードする人の指示を待つ人になります。
そうやって、烏合の衆ではなく、組織的な運営が行われるよう忖度(そんたく)します。
【様々なリーダー】
いろいろな場面で、いろいろなリーダーをみてきました。
その中で、うまくリーダーシップをとる人と、てんでダメな人がいました。
その差は何かと先に言ってしまうと、「まわりをまきこんで仕事を進められるか」につきます。
①仕事の構造化(どのように仕事をすすめるか整理できる)
②役割分担(個々の能力や仕事の状況をふまえて分担する)
③フォローとチェック(仕事ができるようアシストでき、人に任せることができる)
④とりまとめ(最後の責任は自分がもつ、という意識)
これらができるリーダーとは仕事がしやすかったです。
特に①と③が重要だと感じています。
今回、「デキる人」と「残念な人」のトップ3を挙げてみたいと思います。
【デキる人 トップ3】
1つめ、仕事の全容が分かっている人
これは、何年もその仕事をしているので、段取りから手続きまでを把握しているというケースです。
こういった人がいればいいのですが、教員には異動があります。そうすると、継続的な戦力にはならず、組織としてその人に依存し過ぎると、異動したときに大穴が空くことになります。
管理職は後継者を設定するか、複数で穴を埋めるトロイカ体制を意識しなければならないと思います。(意識できない丸投げ管理職もいるので、そのときは残念ということで)
2つめ、振った仕事はどうすすめたらいいか説明・バックアップがある人
誰でもその仕事は初めて、ということはありますし、同じ仕事を経験していても学校が変わると進め方が違うのはザラにあります。そんなとき、本校のこの仕事はこうすすめて欲しい、と提示できる人は優秀だと思います。
分かる仕事をすると、個々に考えて仕事をしますから、もっとこうしたらいい、今年はそれでやるとこんなエラーが想定される、などメンバーの知恵と気づきを集めることができます。
3つめ、距離感をもってフォローできる人
過干渉になると、メンバーのプライドを傷つけます。なので、様子を見ながら、言葉をかけて進捗状況を確認します。うまくいっていれば好意的な評価をして、手詰まりなときは一緒に道を切り拓く、そういうリーダーは信頼されます。
【残念な人 トップ3】
1つめ、仕事を抱え込む人
自分がやれるほうが早い、メンバーに仕事が振れない、自分の思う通りに仕事をすすめたい、そんな人が陥りやすいパターンです。そうなると、「為すべきことがないなら、他にも仕事があるので任せよう」と人が離れていきます。
2つめ、失敗しないようにと過干渉になる人
人間失敗やエラーはつきものです。それでも自分がトップに立ったら失敗はしたくない、なのでエラーがでないようにと口を出し、監視する先生がいます。そんな人がリーダーだと仕事を回避しようとしたり、考えることを止めてしまうメンバーが増えます。
3つめ、丸投げする人
説明も、フォローもなく、「仕事だからやっとけ、分からないなら聞きに来い」みたいな雰囲気の人がこれです。多くの教員が様々な仕事を抱え、限られた時間のなかでやりくりしながら過ごしているので、聞こうとしてもなかなかつかまらないケースが多々あります。
そうなると、進まない仕事は後回しになり、優先順位がどんどん下がっていきます。
【うまく仕事をすすめるために】
職員室の中で過剰な負担を避けつつ、周りを育てていくには、どうしたら「まわりをまきこんで仕事を進められるか」考えることが重要です。これは特に若い人に聞いてもらいたいことで、能力が高いために(年数が少ないと甘く見られるところも事実ある)、仕事を振りまくられる可能性があります。
学校の仕事は増え続けています。
限られたマンパワーの中で病休者が続出することがないよう、仕事をコントロールできるリーダーが今必要なのです。
https://magomago1.org/317letusseeusingspecialistknowredge202012/
前回は、「317)特別支援学校でリハビリテーション技士の能力を効果的に発揮してもらうには」でした。
https://magomago1.org/319inputonlyalwaysactmakehisownbodyfeeing202012/
次回は、「319)特別支援学校における感覚について」になります。