学校の文化 担任の先生より

331)他職種が常駐すると、教員の仕事は質より手広さが重要になるという話

昔というとはっきりしませんが、昔の学校には教員、用務員、調理員、事務員くらいしかいなくて、たまにゲストティーチャーがくるくらいだったのではないでしょうか。

今では様々な職種の人が学校に出入りするようになり、広がりを見せる学校経営にかかわる教員も増えてきました。そうなると、職種によっては担任の先生よりも学校に長くいる人がでてきます。

【長くいる人がリードする組織】
新規採用であっても、5年もすれば所属する学校のことは大体分かってきます。

20年選手であっても、その学校が初めてなら、5年選手に聞きながら仕事をすすめることも珍しくありません。そうなると、たまに世間知らずの5年選手が「私はできる人だ」と勘違いして態度がおかしくなるのは以前書いたブログ記事の通りです。

そもそも、実際の学級経営も決められた流れに沿って進められるため、それに流されると戦略的に1年間指導することなく終わります。そのような場合、引継ぎ会でもこの子は〇〇ができる、こんなことに配慮します、など、原因や根拠の分からない情報ばかりになり、ほとんど参考になりません。

そうなると、運用面の経験則がある、「その場を知っている人」の立ち位置が重要になるのです。

【教員でない人が長くいる】
学校でこどもを指導するのは教員なので、引継ぎが不明瞭でも授業づくりが行われます。そのため、授業づくりに直接かかわらない外部人材がそこに入ることは少ないと思われますが、

「どんな指導が行われてきたか?」

という経緯を知るため、異動していった教員に代わって、教員ではない人からも情報を得ようとすることは十分に考えられます。

今後、異動や世代交代などの事情で固定戦力でない教員の比率が増え、教員でない人が地域の人材として学校に半常駐していると、その人材の立場はどんどん上がっていくのではないか、と思うのです。

そうなると、もう教員の指示のもと、教員が主体になって、というのは絵に描いた餅になるのではないか?と思っています。そうなると、教員はこどもと保護者、多様な人材の中に埋もれて指示や協働という名のもとに運営兼コーディネーターとしての役割が強くなるのではないでしょうか。

そんなとき、多様な消費者意識や価値観のなか、うまく調整できないと現場は混乱します。

今後は、1つの正義をもって走るのではなく、様々な方向から物事を見て、妥当性のあるものを選ぶことや優先順位をつけられることが今後の特別支援学校教員の重要な資質・能力になると思います。


https://magomago1.org/330mannerwhenteachersupportotherclass202101/
前回は「330)特別支援学校における、教員の部内応援」について書きました。