学校の文化

335)特別支援学校で行われる、宿泊つきの防災訓練

特別支援学校では他の施設等と同様、火災や地震などの防災訓練を月1回実施することになっています。
近年、阪神淡路大震災、東日本大震災などの災害があり、学校にいる間に災害が起こって帰宅困難になるのではないか、そんな懸念から宿泊防災訓練が各地の特別支援学校で行われるようになりました

【目的】
1)全国各地で大規模災害が想定されている。このことから、避難所指定の有無に関わらず本校が長期的な避難生活を送る場となり得ることを踏まえ、安全な生活環境を確保する。
2)大規模災害発生に伴い、緊急連絡及び保護者への引き渡しが安全かつ円滑に実施できる。

【誰が参加するか】
宿泊するのは全校の中の一部の学年が実施することが多いです。(全校児童生徒の参加になると全教職員がでることになり、大規模な調整休が発生します)

しかし、毎月実施する防災訓練は全校児童生徒対象のため、午前午後の抱き合わせで実施したほうが、運営上の負担が少なくなります。

予定表に「宿泊防災訓練」と表記されているため、「うちの子はするの?しないの?」と普段配られる案内をよく読んでいない保護者が右往左往してしまうのは、よくある話です。

【当日の流れ(例)】
10時頃:地震や災害のアナウンスを受けて避難
10時半頃:保護者連絡、保護者引き渡し開始(宿泊する学年は校内に残り、研修を受ける)
17時ごろ:非常食を使った夕食の準備
21時ごろ:就寝
翌6時ごろ:起床
翌7時ごろ:朝食
翌8時半ごろ:宿泊した学年の保護者引き渡し

【準備や配慮など】
・宿泊する学年の教員の中で、当日引率できない教員がいる、災害時の想定のため、通常以上の人員が必要になるため、応援教員を校内で募ります。
・非常食はどうも消化によくないようで、翌日胃もたれがひどくて、朝食が食べられないなどがある。
・寝る場所な並び方は学年の教員が実態に応じて配置しないと、大混乱になる。
・空白の時間が多くなるため、予定がはっきりしていないとイライラしてしまう生徒への配慮が必要。
 課題やゲームなどの企画だけでなく、1人課題の準備が必要。(実際の災害では、それどころではない可能性もありますが…)
・食事の準備に生徒が参加することがありますが、衛生面の管理、物がないなかどのように見通しをもたせて作業を実施するか、即席の配慮が必要。

このような企画運営に伴う環境づくりにも専門家として貢献できることはあるかもしれないなぁと思います。


https://magomago1.org/334someteacherworkjustlikesystemengineer/
前回は「334)特別支援学校の情報管理」でした。