教員同士の足並みは「仕事だから」と割り切る部分もありながら、大抵はそれなりに役割分担や協働によって物事を進めています。
しかし、子どもに対する気持ち(感情)、公務員として適正・適切に仕事をする(職務)、そうして、どのように仕事をするかという技術や考え方(専門性)の相違によって、大なり小なりの衝突が起こります。
【部活】
例えば部活ですが、「休日も子どものために考え、動くのが教師」、「休日は休むことだけでなく、次週の授業準備を自分のペースでやっています」、「休日は仕事のことを考えたくない」、という人たちが顧問になったとしたら、どんなことが起こるでしょうか。
①熱心な先生と、そうでない先生というレッテル
②部活に熱心な先生から、そうでない先生への非難や不満
③部活に熱心でない先生から、熱心な先生への非難や不満
④相互に無関心を装い、互いの価値観がぶつからないように対話を避ける
⑤熱心な先生にひきずられると、教職員全体がオーバーロード気味になる
などが考えられます。
【職員会議】
退勤時間になっても終わらない職員会議
①大事なことを話すし、後の仕事に関係あることがあると困るから、最後までいる。
②席に座っているけれど、定時になったから、もういいやと寝てしまう。
③定時なので、帰ります。
【摂食指導】
給食や飲水などの摂食指導
①保護者が希望しているので、とにかく普通食に近いものを食べるようにしましょう。
②実態と適切な指導方法が確立できていないので、いろんな人から意見を聞きながらやっていこう
③他の先生が応援などにきたときに曖昧なものをお願いできないから、すぐに方針を決めましょう
【生活指導】
教室にカギ
①どんな理由があろうと、教室にカギをかけるのは人権侵害だから慎むべし
②カギを使わないと、学級の児童生徒の安全は保証できないので、かける。
【指導方針】
どのように児童生徒を支援するか
①成功体験が少ないと思われるので、失敗しないよう見守り、手をさしのべることが大事。
②学年的にも上になってきているし、自分でできた経験がないと依存的になる、やらせよう。
③できていないというのは保護者に言えない。できていると返して安心して学校任せて頂けるよう、子どもを守ろう。
④大人の勝手で、子どもの世界をふみにじってはいけない。学年などの区割りはあるけれど、その子の実態をふまえることを最優先に支援すべき。
挙げればいろいろありますが、どれも遭遇したことがあるパターンです。
どれも、ある観点からいえば正義、正論なところがあるので一概に否定できませんね。
様々な意見がありながら組織的に支援するため、共通認識としていずれかの意見に合わせることが求められます。合わせたら、それを良しとしない先生が当然でてきます(折り合いがつかなければ)。
では、誰がガマンすることになるのでしょう?
意見が通るか否かについて
・主任とヒラなど役職の違いで決まる。
・その学校や学部に属した経験年数によって。
・保護者などの意見を後ろ盾にしたか否か。
・同じ意見をもつ教員が多数であるか否か。
このあたりだと思われます。
自分のほうが正論では?と思われても、組織の中で仕事をするために妥協することがあります。
そのあたりが外部人材の方々には見えない、読めないところかもしれません。
https://magomago1.org/354fulldressedramenraydownfromthebowl202103/
前回は、「354)特別支援学校 「全部のせラーメン」」でした。