担任の先生より

356)特別支援学校 いろいろ試すことって大事

「ひと目で見れば、ぴたりとあたる」
占い師の人がそう言うと、そんなにすごいのかなと思ってしまいます。
しかし、特別支援学校にいる先生は胡散臭いと思ってしまいます。

【ひと目で分かるものなの?】
今はもういらっしゃらない先生ですが、こういうことを言っていました。

「私はその子を見ただけで、どんな日常生活動作ができるか分かる」

全体的な身体の使い方、手の動き、視線や注意の向け方などを総合的に見れば、ある程度読めてくるところはありますが、本当にその子の生活能力が測れるかというと、NOだと思います。

機能面だけ見れば測れますが、運用面はどうしても家庭環境、保護者の価値観や経済力、感覚障害、こだわりや誤学習などの影響を受けやすいです。そのため、その子自身の力をどう捉え、何を求めていくかによって線引きの方法は様々です。

【それを引き継ぐの?】
私自身、ある程度の見立てはできていても、「本当に自分が捉えたものは合っているか」、「自分の立てた方針は、学校生活の中で運用ベースにのせていいものか」といろいろ試して焦点化させていくようにしています。

しかし、初めて学校にきた児童生徒となると、初対面からすぐ方針を決めて他の教員や児童生徒と一緒に過ごせるように学校生活の型を構築する必要ができてきます。

ある児童生徒について、保護者から摂食指導の参考にと、普段やっている方法を見せてもらいました。
しかし、その介助は「誤嚥リスク」と「誤学習」をさそうと思われるものでした。

保護者から見聞したことについて、同じ学年の先生に引き継ぐように言われましたが、「あの方法を学校として行う指導の中に組み込んでいいのか?」とひどい葛藤がありました。

こんなとき、「はじめなんだし、まずは言われた通りにやってみて考えたらいいじゃない?」、「保護者が一番子どものことを分かっている。違うことをして不満を感じさせることはしないでおこう」という考え方はこのケースについて、素直にそうだねと思えませんでした。

そのあたりの割り切りができなかったあたりは、まだまだなのかな?と感じています。

【いろんな角度からみる】
あれもこれもと同時に多すぎる課題を児童生徒にもとめることは、何がその課題に関する阻害因子なのか分かりにくくしているところがあります。なので、始めは多くを求めず、低い難易度から児童生徒の基本的な能力をじっくり見ていくことが必要だと思われます。

https://magomago1.org/355whatdoyoudowhenteachersopinionwasdifferent202103/
前回は「355)特別支援学校 教員同士の足並みが揃わないときって、どんなとき?」でした。