このブログから学校の様子を伝えることで、読んだ方が自分なりにどのようにふるまえばいいか心の準備ができるのではと考えています。
が、今回は子どもの成長を促すことについて、どう考えているか持論を書いてみます。
人間は過ごしている環境に適応し、変化します。医療系の作業療法士が学校という環境に身を置くことで、どのようなことが分かってきたかと言うと
できる・できない
どのタイミングならできるか
誰ができるか・できないか
集団をまとめながら、できること
このあたりについて、自分の力量に照らして取捨選択できるようになってきたのかなと思います。
まだ医療系の考え方が色濃いときは、この子の発達を促すため、どんなことを学校の中に盛り込んでいけるかばかり考えていました。このときは、「自分の考える正しいこと」をいかにして実現するかが最優先だったのです。おそらく、多くのリハビリテーション技士が特別支援学校に入ったときに陥るパターンではないかと思います。
【今の戦略のたてかた】
今は、学校は文化を伝えるところなので、集団での授業では、授業の課題について作業分析することから始めます。そうして、目の前の子どもが学べることをピックアップして提示する、うまく参加できるよう適宜工夫するといったことをしています。国語数学や、図画工作、音楽などについて、ある程度学習内容を味わったら変わっていくものなので、繰り返しの効果は期待できません。集団のなかで学びあうことに意味があると授業に関する意味づけをしています。
では、どこに子どもが継続的に学べ、力がつく場面があるのかというと、教室移動や登下校時の移動とADLのところではないかと思います。ここは繰り返しがきき、指導方法の検証や変更がしやすく、環境の変動が少ないので、子どもの変化や成果を把握しやすいというメリットがあります。
また、支援の目標や指導方法がかたまってきたら、自分がいなくても他の人にバトンタッチして継続してもらいやすいのも重要なポイントです。(教員は出張などが時々あるもので)
誰にでも分かり、誰にでもでき、変化をキャッチ(評価)しやすい、これが学校でのADLの指導で重要なところです。シンプルに伝えるということは目標と実態把握が明確にできていないと難しく、「これだ!」というものが見つかるまで時間がかかります。それでも意図してかかわるときの根拠がはっきりしているので、教員も子どもも見通しがもちやすく、成果がでやすいと感じています。
https://magomago1.org/363howtochangeaclassroom202103/
前回は「363)特別支援学校 教室整備の段取り」でした。