担任の先生より OT・PT・ST

378)特別支援学校 年度の序盤、まずは実態把握!?

 リハビリテーション科で技士をしていたときに聞いた言葉
「評価できていないことは、やらないで」
「評価できていれば、それに則って何をしてもいい」
練習をするうえで質の高さと根拠は大事で、20分や40分を有意義に使うための言葉だと思います。
ちなみに、リハの「評価」と、学校教育分野の「アセスメント」はほぼ同じ意味です。

今年度、新しい児童生徒、新しい教職員メンバーを迎え、まずやることはというと…。特別支援学校に入った頃の自分なら、とにかく子どものことが分からないと、指導方法が決められないとイライラ、アセアセしていたと思います。

今は
①新しい人の顔を見ること。
②学校生活を送るうえで一通りの流れがおさえられているか確認すること。
③事故なく帰宅させる
を1週間の目標にしています。

この変化は、単に慣れて余裕がでてきただけではないと思っています。

この変化はなんだろう?と考えた時、挙げられるのは「40分ではない、何時間という時間枠の中で勝負できるようになった余裕」、「自分だけでない集団で過ごすため、独りよがりな評価はできない」、「自分以外の人の動きを見て、互いにエラーが起きないよう支援する構えをもつ」あたりではないかなと思います。

この視点は自分が抜けても機能する、進学後や卒後の生活の準備をふまえる、誰でも支援に入ることができる、という生活支援につながります。

逆に、入れ込んで評価、あれこれ試したらどうなるか考えてみます
①誰が、どこで、何をしているか教職員集団として把握できない。
②見立てなく試して事故が起こると、その年度内、きまずい心理的な重しがかかる。
③1年間運営するうえで、挑まないことはいけないこと、のような雰囲気になるかもしれない。
④あの先生のすることは難しいことで、あの先生の見ている子どもにかかわるのは難しい。
などの雰囲気が起こることを想定しなければなりません。

【評価いつする】
では、評価はいつやるの?ですが、病院のリハのように短期集中ではなく、営みの中で随時見られたものの意味を考える、授業やADLの中で試行錯誤する、他の教職員がやっているものの意味を自分なりに考えることで、自然に積みあがってくるものだと思います。

そのため、児童生徒を個として集中してみるより、環境を作りながら外堀から埋めていくというイメージで臨まれるのがよろしいかと思います。



前回は「377)特別支援学校 新年度、引き継ぐときに配慮したいこと」でした。