医師・介護・看護 学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

394)特別支援学校 授業時のルールは、学校生活に生かされているか?

特別支援学校では緊急事態宣言の有無にかかわらず通常通りの登校が続いています。
具体的な指示は「消毒作業」、「つけられる人はマスク着用」「密を避ける」となっています。

学校を開けているということは、どういうことか。

・児童生徒の保護者は様々な活動をしている。
・教職員にも家族がいて、通勤してくるときに様々な人と接触している。
・様々な業者の方も学校に出入りしている。

様々な場所にいた人が、学校という一つの場所に集まるということです。

どう考えてもリスク要因だと思いますが、社会全体から保護者の経済活動を支援する、保護者の期待に応える、学習機会の保証をする、という大義名分があるため、「見ない」、「考えない」ことになっているようです。(考えていれば、休校または分散登校になっているはず)

また、「尚一層の感染防止に向けた取り組みをお願いします」とのことで、どうやら責任は現場の教員に投げられているようです。

【対応の変化はどこから】
初回の緊急事態宣言がでたあたりで、学校は一時休校になりました。
しかし今、感染者はその頃よりも多いのに、通常登校になっています。

この違いは、コロナウィルスという得体の知れないものに、ひとまず回避しようという判断から、子どもは感染しにくい、マスクや消毒、不要不急の外出規制をかければ国全体をおびやかすものでないと判断されたからだと思います。

このように、「ここで、このルールを守っていれば大丈夫」の意識は緊張状態が持続することを緩和させられると思いますが、問題の本質をとらえたものでなく、そこだけ守れば大丈夫という意識の規格化が起こりやすくなると思います。特にボトムアップより、トップダウンに慣れている学校ではその傾向が強まるのでは、と感じています。

【専門職として】
医療機関にいたときは、病院経営もあるのですが、患者さんの健康を第一に考え、あらゆる感染リスクを想定して対応したはずです。そうして、対応したなかでできる行動をする、だと思うのです。

しかし、学校ではある授業場面で配慮したことが、次の時間ではなかったかのようにルーズになる、ということがよくあります。

密を避け、授業 ⇒授業の合間に他の学年の友だちに会いに行く。
筋緊張が高く、リラックスが大事⇒主体的に移動しよう、車椅子をこいで、どんどんこいで。
食べる時は落ち着いて、刺激を減らしましょう⇒(給食時)〇〇先生がきたよー、うれしいねー。

このような、生活全体で守る基準を意識しないで、場面限定の配慮や、場当たり的な対応に終始しているのを見ると、「何を考えているんだ!」と思います。

いや、私は今でも内心憤慨しています。

このことを考えると、教員は子どもの実態把握について、能動的に指導する、リスクを避けて指導するだけでなく、生活全体で守らなければならない基準をつくるために活用すべきだし、専門家は場当たり的な指導・助言や、成長発達をふまえた配慮点だけでなく、今の生活で意識しておくべき基準を教員と確認することが大事だと思います。