学校の文化 OT・PT・ST

395)特別支援学校 特別支援学校に参画する作業療法士、理学療法士の方々へ①

特別支援教育推進に向けて、専門家の参画などの支援が行われています。しかし、その規模は十分とは言い難く、都道府県によって割り当てられる予算もまちまちです。

【自立活動】
特別支援学校自立活動教員資格認定試験も行われていますが、資格はあっても採用がなければ活用できません。関心がある方は都道府県ごとの教員採用試験についてググってみてください。多分、大半の自治体では採用がないと思います。

ただ、言えることは自立活動に関する仕事は自立活動教員免許がなければできない、という訳ではありません。小・中・高の教員免許をもっている教員がコンバートされて担当になることがあります。逆に、自立活動教員免許しかなくても、学級担任になることがあります。

特別支援学校では入ってしまえば学部間異動は普通に行われているので、難易度の高い学部・教科で挑むことは避け、入りやすいところで勝負して、採用されたら3年以上頑張って、異動希望(学校の異動か、学部間異動か)を出す方法もあります。

【リハビリテーション】
リハビリテーション関連資格(PT、OT、ST等)の業界の事情にはかなり疎くなってしまいましたが、生活モデル(生活支援)が重視されるようになり、特別支援教育参画への追い風になればと思っています。とはいえ、多くの理学療法士や作業療法士が行う技術や治療方法の多くは「個別・40分」をどう有効に使うかを前提に発展したものが多く、一時よく言われていた「エビデンス」が学校という環境にそぐわない矛盾や葛藤を生じさせたりしていることに気づきます。

対象者や患者様のために、専門性を活かし、できることはないか
学校では指導・助言が求められている。自分ができることは何か

これまでお話をさせて頂いた理学療法士や作業療法士は、皆さんこれらを意識されていました。
そうして、目の前の課題をなんとかしたいと悩んだり、考え込んだり、行き詰まってしまったりしているようでした。現に私も学校現場に飛び込んで、7年くらいは「なぜだ、なぜだ」と悩んでいましたから、多くの悩みは共感できるものばかりでした。

これに対して、学校文化や教員の立場などをふまえて、「こうすればいいですよ」というのは簡単なことですが、「専門家としての想いが、学校の現場と合わないことがある」という現実を理解し、環境を把握し、マインドを変えていく必要があると思っています。


前回は「394)特別支援学校 授業時のルールは、学校生活に生かされているか?」でした。