担任の先生より

400)特別支援学校 はじめとおわりをつくる

大人は時間割をみて、この時間は何時から何時までやるというように、「順番、時間、時間割」といった、学校生活を送るうえで必要な概念を理解し、それを駆使して見通しをもって生活しています。

時間のことが分からない、数字が分からない、3手先のことまで見通して動けていない、という児童生徒もいます。そのため、教員が児童生徒の前にでて、「これから、〇〇を始めます」と伝えることは大きな第一歩、意味や価値があります。

さて、授業をつくるときですが、どんな授業であっても、はじめとおわりをどう作るか、特にはじめ方をどうするか考えます。しかし、はじめは、何を教えるのか考えておかないと関連性が出せません。だから、まず授業の枠を決めるために「この授業では何をやるのか、そこで何を学んで欲しいか」、明示する必要があります。

これが決められていないと、やることが多すぎる、どこに向いていくのか分かりにくい、教員が喋りすぎる、といった授業に陥りがちです。

【ほうきとちりとり】
「ほうきとちりとり」について知り、体験させてみようと思ったら

①どんな場面で活用できるものか
②どのように使うか
③子どもたちに同じようなものを使った経験があるか、同じようなことをした経験があるか
このへんをよく考えます。

教員がすべてにおいて支援の手を入れれば、大抵の課題はできてしまいます。

しかし、逆に支援がないと、どうしていいか分からずに好き勝手し始めたり、教室から出て行ってしまったりします。では、どうするかですが、すべての工程や過程のなかで、子どもが参加できること、やったら興味をもちそうなところに時間をかけて取り組んでもらい、あとは子どもが困らないよう準備された教材を出すか、教員が見せながらやってしまうことにします。

【はじめとおわり】
ここまできたら、「はじめとおわり」をどうするか考えることができます。
導入について、その授業に関連したネタはないか、子どもたちの経験則でつながるものはないか、一緒にいる教員にどこに課題意識をもって支援して欲しいか、このへんを意識してつくります。
おわりは個別または集団へのフィードバックになりますが、何に取り組んだか、様子はどうだったか共有します。

【2回目以降をどうするか】
学んだことを定着、または確かなものにするために、確認すべき観点がいくつかあると思います。

①同じことをしたら、熟達度があがっているか、やったことを思い出してできるところはあるか。
②少し条件を変えたとき、それに合わせることができるか。
③支援する人が変わっても、同様にできるか。
④支援を減らしてもできるか(言葉や工程の数など)
⑤手順が変わってもできるか

経験できればいいなら次に進んでもいいですし、質の高いできたを求めるなら、地固めをしてから進んでいくことをお勧めします。

【まとめ】
はじめとおわりは、これから何をするか不安にならないように、これから何をするぞと意欲がもてるように、いつまで・どこまでやったらいいのか分かるために、教員も子どもも安心して、意欲的に取り組むために重要です。


https://magomago1.org/399whichdoestheyleadclassorgroup202105/
前回は「399)優先準備が高いのは学級担任かグループ担任か」でした。