肢体不自由特別支援学校に在籍する児童生徒について、広さや距離について端から端までを確かめてみたことが少なく、それを言語化した経験も少ないと思います。
また、広さや距離を数値化したり、〇〇と同じ長さだ、などの同等のものを例に挙げたりすることが難しいケースもあります。
それに対して学校ではどのように支援、指導すればいいのでしょうか。
【広いマットの前に来ました】
肢体不自由のクラスでは、車椅子の上にいる時間が長いとして、床の上におりて身体を伸ばそうという時間がとられることがあります。
さて、どこにおりるでしょうか?
広い床面のなかで、どの位置におりるかですが、この時間は「身体を伸ばすことが目的」なので、どこであろうが問題ではないと思われます。しかし、準ずる教育課程(通常学校の単位が認められる学級)にいて、会話ができる児童生徒なら、それだけでいいのかと思いました。
『床におりることになった⇒どのように、どこに⇒おりて目的を達成する。』のように、委ねるだけでなく、自己決定と納得する結果が得られる機会をもつことが大事だと思います。
【生活のなかで活用できる意思の伝え方】
空間を捉えることが難しい場合、どのくらいの距離か伝えることは難しいと思います。
しかし、何か具体的なものを手がかりに、求める場所がどこか分かってもらうことはできると思います。
たとえば
①〇〇さんの隣がいい
②部屋の端がいい
③前と同じ場所がいい
④(入口近いと踏まれるかもなので)部屋の奥の方がいい
などです。
毎回これを言えばいいというパターンをつくることもアリだと思いますが、随時自己判断で伝えることを期待する場合は、「これから移動するところはどんな場所か」、「今いる場所はどんな場所か」などさまざまな場所の伝え方を事前に学習しておく必要があると思います。