研究授業の検討会をしていて、何を目標にするか、どこまでの課題を求めるか話題になりました。
「A君は、繰り返し取り組めばできると思います」
「好きなものを目標にしたら、横道にそれずに行けるんじゃない?」
「まず、物を取りにいき、それをもって配る、の流れはできるかな?」
などの意見がでました。
結局のところ、授業をつくる人が何を目標にして、どこまで求めるかによるのですが、とにかく経験としてやってみることを大事にしたいのか、今後の日常生活スキルの定着を求めるか、決めることが必要だと思います。
【経験重視】
経験させたいなら課題は多少難しくなったり、増えたりしても大丈夫。
教職員と一緒に取り組めば、自分だけでは見えない世界をのぞいてみることができます。
子どもによっては見通しがたたなくて、イライラしてしまうかもしれません。
子どもによっては臆病になって大人に依存的になるかもしれません。
子どもによっては、ある場面で予想外に「できた!」ということがあり、本人も周囲もビックリということも。
明らかに実態とかけ離れている課題はどうかと思いますが、やってみたらどうなるか予測できないぞ…ということなら、やってみる価値はあるかもしれません。
ハイリスク・ハイリターン、想定できるエラーは即座にフォローできる準備はしておきたいです。
【日常生活のなかで使えるもの】
日常生活のなかで使えるスキルにするためには、分かり、自分ででき、再現可能、場所や状況が違ってもできるかを意識して課題設定します。まずは、日々大人がその行為について、どこまで、どこで支援している把握しておく必要があります。
どこでも、誰とでも再現できるものか、パターンとして覚えたので応用力があまりないのか、時間をかけてアセスメント(評価)していきます。
【実態がどうとか、目標がどうとか、ごっちゃになった】
情報は少しずつ集まってきたけれど意味が分からない、何をどこまで求めていいか分からなくなるときがあります。そんなとき、多くを求めない、シンプルで、大人も子供も混乱せずに取り組める授業を、まったく同じ内容で3回やってみましょう。
あれこれ試して、何の授業か分からないものをやるなら、こっちのほうが何倍も有意義です。
できる・できない、どれくらいできる、繰り返しやればできるか、などの線引きができます。
そこから見えた課題をターゲットにして、その後のことを考えればいいのです。
前回は「407)特別支援学校 感染疑いのときどうしたか」でした。