学校の文化 担任の先生より

424)特別支援学校 医療的ケアを受けている児童生徒のおでかけ(例)

医療的ケアを受けている子どもについて、車椅子を利用しているケースを例に考えてみます。
まず、医療的ケアを受けているということは、実施者が同伴することが必要になります。

また、車椅子を利用しているということは、車椅子を運べることが必要になります。

【バスにのっておでかけの場合】
利用するバスには、車椅子のリフトがついているでしょうか。
なければ、ずっと抱っこで移動も可能性としてありえます。

車椅子は通路などを妨げないようにたたんで載せることになるでしょう。
車椅子のリフトがある場合、車椅子をとめておけるスペースがあります。

ただし、同伴者が車椅子スペースの隣に位置して、つきっきりになれるかといえば、そうでもない状況もあります。移動しているときに吸引が必要になったとき、揺れが厳しいので「車を停めてください。」とは、なかなか言えません。

公共の乗り物に乗る、集団行動をするといったとき、柔軟に対応しにくいですね。
では、どうすれば個別に柔軟に対応できるでしょう。

それは、保護者が同伴し、自家用車を転がす時です。

【バスと自家用車のメリット・デメリット】
バスの利点は、運転しなくて済むので児童生徒に目を配ることができます。また、目的地の駐車場の確保を心配することなく、着いたら降りればよいので気が楽です。また、環境さえ整えば、医療的ケアを実施しながら移動できます。ただし、公共のバス、または集団行動の場合、緊急時に個別対応にスムーズにシフトできないことがあり、融通がききません。

自家用車の利点は、何と言っても集団の集合場所や時間に合わせることなく、最短距離で現地に着くことでしょう。また、緊急時に集団から離脱して、病院などに駆け込むことができます。その反面、教員が個人の車に乗り込んで目的地まで移動できないことから、児童生徒に付き添っているのが保護者だけになり、保護者が運転している間は顔色と適宜観察することが難しく、痰の吸引をスムーズに実施することができません。

【車椅子スペースが潤沢でないバスが多い】
肢体不自由を主とする特別支援学校では、車椅子を利用している児童生徒が多いことから、一台のバスでは車椅子スペースを十分に確保できません。そのため、車椅子は使うけれども、座席でも座っていられるなら、そちらに移ってもらい、極力スペースの余力を確保しようと調整することがあります。

【ざっくりと、まとめ】
はじめと終わりが大事です。

バスを利用する場合、車椅子で乗ることができるか、車椅子をとめる場所があるか、全員どこに座るかシュミレーションできているか、キーパーソンの大人をどのように配置するか、非常時はどのように動くか見通しがたっているか、について場面ごとに想像力を働かせて、準備することが大切です。


https://magomago1.org/423manyteacherneedsmindcaresupportingstaff202106/
前回は「423)特別支援学校 非常勤講師など、応援の先生の使い方が雑なのはなぜか。」でした。