学校の文化 担任の先生より

430)特別支援学校 無能な校長がいる学校から、優秀な教員が去るのはなぜか

無能な校長がいる学校から、優秀な教員が去るのはなぜ

【校長先生】
校長は、校長先生になる試験を受けて、ある人はポンと校長になり、ある人は長い間教頭先生などをして、やっとこせ校長先生になる、というものです。(他にも民間校長など、いろいろありますが割愛)

校長になるとトップになったのですが、イトーヨーカドーの店長さんのように雇われ店長なので、本部(教育委員会や校長会)の指示や合意や忖度で動くので、当然学校現場にそれらを下ろしていかなければなりません。

それをしつつ、学校をこうしたいと経営計画などでオープンにしていきます。

【校長の優秀さ】
教育委員会等からの指示伝達を受けて現場にどうおろすか考え、指示する。
人事評価と指導体制編成、などなど。

ずっと前のブログで、「公務員としての教員、専門家としての教員」について少し触れましたが、学校には組織運営にかかわる仕事と、児童生徒を教育する仕事は相容れない矛盾したところがあります。

校長先生が学校組織の運営に意識が向き過ぎると、日常の学習指導等を圧迫することになるので、子どもの指導を大事に考えている教員から総スカンを食います。

例えば、「避難訓練はマンネリ化している。あらゆるリスクを想定し、毎回違った観点で実施するように、同じものをするのは公務員社会の前例主義を打破する。」といい始めたらどうでしょう。

学校で扱われる仕事について、すべて何か改善案、改革案、付加価値がないと認められなくなっていきました。授業準備はおろそかになり、勤務時間はどんどん長くなっていきました。

その結果、ヤル気があり優秀な人、ヤル気はあり無能な人が現場に残り、ヤル気はないけれど有能な教員は次々とその学校を去り、他の学校へ移っていきました。

昨今の学校の仕事は増える一方で、矛盾も多くみられます。そのため、あまり仕事に向き合い過ぎず、効率的に仕事をこなして余力を残す、「ヤル気はないけれど優秀」な人材が多く存在します。彼らに去られることは、組織運営に必要な人材の空洞化を招きます。

校長には与えられた学校という場所に必要な人材を確保する責任があります。
頭数が揃えばいい、都道府県の採用と異動カードを使えばいい、ではなく、学校を動かすために必要な有能な人材に「ここで仕事をしよう」と思わせ、地に足をつけさせる能力(または魅力?)が必要です。

「ヤル気のある無能」な校長は悲惨です。カラ回りする指示や方針を出しまくる「ヤル気のある無能」な校長先生の噂はあっという間に広がります。そうして、次の学校の異動先として希望が出されなくなります。そうすると、「どこでもいいです」、「(良くも悪くも)とにかくコイツを動かさなきゃ」という教員が集まることになり、安定感のない組織になります。

次にきた校長先生は、その尻ぬぐいで大変です。

https://magomago1.org/429specialeducationteachermaysteptoelderpersonssupport202106/
前回は「429)特別支援学校 特支での仕事を知っていれば、老人(高齢者)分野でもいけるかも」でした。