学校図書館法というものがあります。
その中に、設置義務として、第三条「学校には、学校図書館を設けなければならない」と記されています。
そのため、図書に関する場を設けることは避けて通れないということになります。
学校図書館は、その学校の状況を示すものとして、1つの目安になります。
例えば、場所は部屋1つを使ったものか、蔵書の充実度はどうか、整理整頓は行き届いているか、などです。すでに多くの学校が教室不足ということで、図書館を教室転用し、廊下の一角に図書コーナーにしてしまったという話も聞きます。
法律にあるから、どうこうは置いといて、とにかく学習場面でうまく活用できればいいと私は考えています。枠組みを整えることから考えがちですが、運用上効果的になるにはどうすればいいか、という視点も大事だと思います。
【管理か、運用か】
本を見る・読むことは子どもの言語や情操などの発達を促すために有効なツールと思います。
そのため、日常的に使えるといいのですが、管理は、運用かというところでジレンマが起きがちです。
特に、小規模の学校では学校図書館に司書教諭を常駐させることがあまりなく、教員をあてようにも、他の学校運営の担当に振り分けることが優先されるので、月1回くらいしか(それも30分くらい)集まれません。それだけで、目録作成、登録、整理整頓、除籍などを網羅することは難しくなります。
また、破損や紛失も想定できるので、児童生徒だけで入室することができないよう施錠することもありました。
おそらく、施錠を解除するのは教員です。
図書館を利用する子どもを連れて行くと、行かない子どもは誰が指導するか…?
学級が分断されると学級経営が成り立たず、学級全体で行くと担任の先生だけでは移動も含めた指導がやりきれない、そんな状態が想定されるので、図書館の利用が敬遠されるようになります。
【図書館利用キャンペーン】
設置した学校図書館が利用されない状態が常態化しています。
ところが、学校として情報メディアの活用も含めた図書館利用を推奨しましょう、という指示や指導が下りてくると、校長など管理職から、全校に向けて「時間を設定して図書館を利用するように」と指示がでます。もはや、児童生徒の実態や学習計画は関係ありません。指示されたキャンペーンを遂行するために時間と指導体制が組まれます。
遊出を防止し、もれなく移動すること、図書館内で読書等ができること、少ないマンパワーを駆使してとにかく、やっつけ作業のように読みました。
子どもの実態と指導体制の脆弱さ、系統的指導が立てにくいなか、本当に学校図書館はどう活用すればいいのか。
頭を悩ませたことを思い出しつつ、今回はこれにて失礼致します。
https://magomago1.org/453onlyfireisnotthebestanswer202108/
前回は「453) FIRE(早期リタイア)から思うこと」でした。