医師・介護・看護 担任の先生より 未分類

466)学校教員とケアマネージャー、似てる…。

動画でいろいろな人が、各職種の実情なんかをアップしてくれるので、これまで見られることがなかった職種について知ることができるようになりました。

そこで、ケアマネージャーの試験を受ける人が激減しているという話がでていました。
https://www.youtube.com/watch?v=5OSo0JSCGGw

【ケアマネージャー(介護支援専門員)とは】
厚生労働省の資料を引用します。

介護支援専門員とは、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者とされています。(以下、略))

なんだか、特別支援学校のセンター的な役割、個別指導計画、教育支援計画、コーディネーターなどと似た雰囲気を感じます…。

【何が似ているのかって】
ずっと話を聞いていると、ケアマネージャーになる試験の受験者が20万人(平成10年)から4万人(令和元年)に減っちゃった、とのこと。

なんだかざっくりしているので、厚生労働省のホームページに飛んでみました。
そこでは、年度ごとの受験者数、合格者数がでていました。

第1回(平成10年度) 受験者数207080人 合格者数91269人 合格率44.1%

第10回(平成19年度) 受験者数139006人 合格者数31758人 合格率22.8%

第20回(平成29年度) 受験者数131560人 合格者数28233人 合格率21.5%

第23回(令和2年度) 受験者数46215人 合格者数8200人 合格率17.7%

これを見て、昨今の教員採用試験の受験者数が減ってきたのでは…?という議論と似たニオイがするぞ…と思いました。

ただ、ケアマネージャーの試験は受験者間の競争でなく、一定水準の合格ラインに達したかの試験に対して、教員採用試験は都道府県ごとの採用枠をとり合うというところが違いますね。ケアマネージャーの試験、難しくなってきたのか、受験者数だけでなく、合格率も下がってきています。

これは、リハビリテーション技士同様、増え過ぎないよう難しくして抑制しているんだろうか?
疑問はつきないですね。

【なんで、ケアマネの受験者が少なくなったか】
動画では、よりよいケアを目指して計画を立てたり、介護の方針を決めたりと、これまでの医療介護で培ってきた経験や専門性を利用者さんのために活用したい!という受験者のモチベーションが下がっているのではという問題提起がされていました。

理由①ケアマネの業務量が増え、ペーパーワークが増えた。

理由②制度が3年ごとに変わって、ついていくのが大変。

理由③更新研修がある(5年ごとに345時間の研修!)

理由④業務外の対応(家族対応、申請書の手続きなど本来の仕事でないものをせざるを得ない)

これに対して、それを指導する側は

「いろんな社会資源を活用しなさい!」
「社会資源を開発しなさい」
「地域包括ケアシステムを活用して、みんなで支え合え」
「保険外サービスを使いなさい」
「地域住民のボランティアなどを活用しなさい」

とおっしゃるらしいです。

誰もやらないから、やらされる。
やらないと批判される。

この状況、学校の教員と似ている気がして仕方ありません。

【どうすんの?】
業務量と義務が重すぎるので、ケアマネジャーを辞めて、介護職に舞い戻る方、退職する方がいるらしいです。教員も、終身雇用にこだわらず、「これって、ずっとできる仕事じゃないよね…。」と聞くことが増えました。昔は「協力するから、なんとかやっていこう」でしたが、みんな余力がなくなったのかなと思います。

一定のお金しか出さない、クレームがでないよう限られたパイでやりきれ、質を高めろ、の反復は公共性の高い現場を疲弊させます。このまま、マンパワーが確保できなくなってきたら、どうなるのでしょう。


https://magomago1.org/465howdiyoumakeyourlifeplan202108/
前回は、「465)特別支援学校 教員の定年、気をつけることは年度でなく年齢」でした。