これまで、特別支援学校教員と、作業量療法士の違いについていくつか書いてきました。
保険点数などの収入であったり、雇用元であったり、同時にみる人数であったり、かかわる時間だったりありますが、同じ生活をみているはずなのに、なんでこんなに違うんだろう?と思ったことを拾い上げてきました。
今日はターゲットにする項目(目標)の数、について書いてみます。
無料動画を見ていて、作業療法士はその方のニーズにあったことに取り組んでいきます、事務員さんの計算機の使用、農作業のときに種をまくときの指の使い方、などです。その目標設定は、多くの生活の営みにある、誰もが行うであろう活動(ADLなど)、個々の活動(趣味や習慣など)のなかから、優先順位の高いもの、とっかかりとして妥当なものを取りあげると思います。
作業療法士が設定する目標の数は、いくつでしょうか?
1つでしょうか?3つでしょうか?10もあると多すぎると指導されたりしましたよね?
作業療法士の仕事は40分(保険点数がとれる)くらいが基本で、そのなかでできることが前提になると思います。作業療法は24時間だーと言って24時間巡回、一日にとれる保険点数を突き抜けて働く、労働基準法などクソ食らえ、などはやらないと思います。
【教員の目標設定】
では、特別支援学校教員が設定する目標の数はいくつでしょうか?
答えは、「教科や領域の数だけある」です。
作業療法士は、「今のところ排せつについては看護師さんがついてくれるし、今の機能などを考慮すると、このまま継続していくとして、今は起居動作と食事動作を評価して取り組んでいこう」、などと取捨選択や優先順位をつけるじゃないですか。教員もおおまかには分かっていても、実施する授業や活動について、すべて目標を設定し、評価(成績をつける)しなければなりません。
そのため、子どもの数だけ目標があり、1つの活動に1つの目標だと攻め手に欠けるので複数の目標を設定したりします。また、取り扱うものが増えれば増えるほど積み重ねが効かなくなり、学びや中身が薄くなることが散見されます。
【結局、何が違うか】
特別支援学校教員と作業療法士、違いの1つに「つまみあげる、抱えあげる目標の数が違う」があります。
トータルマネージメントがいい、焦点化して質を高くしたほうがいい、いろいろな意見がありますが、職業の特性にもつながるところですので、このあたりをふまえて役割分担などの協働が進めばと思います。
https://magomago1.org/488whocheckthelearningsystemandresult202110/
前回は「488)特別支援学校 学習指導要領 安易に自立活動にしないで」でした。