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527)特別支援学校 教育実習7日目 どれくらいがいいか分からない

教育実習は見学中心から、教員と同じように並んで支援することが格段に増えました。

靴などの装具の着脱、移乗動作、車椅子を押す。
靴の履かせ方、足部とのフィッティングを経験する。
移乗動作は腰を痛めない方法の説明を聞き、実際にやってみる。
車椅子移動の支援について、様々なブレーキを操作してみる。
授業時のサブティーチャーとして児童生徒の支援にあたる。
などです。

このように、単にお手伝いとしてやるのではなく、1つひとつの支援の意味や留意事項を理解しながらの実習になってきました。

【どれくらい支援したらいいか、分からない】
授業に入っていくなかで、目の前の児童生徒に対して、どれくらい支援したらいいか分からない、という相談を受けました。これは本当に難しいことで、個々の実態や指導目標によって変わってくるものです。しかし、こう答えてしまうと、「難しいよね」、「子どもによって違う」という訳の分からない言葉しか残りません。ここは、私自身も同じ疑問を共有しつつ、どうやったら納得できるか、はじめの一歩としての手がかりになるか、考えながら説明しました。

①まず、利き手や自分で動かせる手、関節可動域が保たれている方を選んでみます。
②肩甲骨周囲筋や体幹が弱くて中心が落ち着かないときは腕のつけねが安定するようサポートする。手は上がるが、目標物をうまく捉えられないときは手や手首をサポートして方向づけを支援してみる。
③目標物を触ること、叩くこと、とること、持つこと、抑えることなど、何をどこまで経験することを重視するか、決める。

手を使う場合、このへんを意識してやってみて、試行錯誤していけばいいと思います。それでも、どれくらいの程度でやったらいいか分かりませんということもあるでしょう。(私も、あります)

そんなときは、思い切ってレベルや段階を下げ倒します。

もし、自分が新しい課題や難しい課題に直面して、それがうまくできなかったとしたら。うまくできないものを何の配慮もなく繰り返しやるよう言われたら、気持ちがメゲてきませんか?もし、難易度が上がっても、課題がうまく進むように程よいサポートが保証されたら、もう少し頑張ってみようと思いませんか?

【口頭指示はどうするか】
子どもに分かるように説明したいが、どうしたらいいか分からないという相談も受けました。これも子どもによって違うのですが、実習生さんが考えている児童生徒について考えてみました。

まず、口頭で伝えるという手段を用いるなら、分かりやすく動詞1つのみで伝える、動詞に該当する動作をしてどうなることを求めているときは「直近の活動、目標とする物・事柄」の2つをセットにして伝えるようにしています、と答えました。

例えば、1m先にある椅子に座りかえるとしたら「立ちます」⇒(立ち上がったら)⇒(椅子を指さしながら)「椅子」、「座ります」のように順番に示すことで目標までの動作をつないでいく方法があります。

立ってから他に脱線しそうな時、距離や手続きが多くなる時は、「立ちます」⇒(立ち上がったら)「ゴミ箱(目標物)」⇒「ティッシュを、もつ(ゴミを拾うよう促す)」⇒「捨てる」のように、目標を提示しつつ、脱線しないよう歯止めをかける先取りの根回しをします。

あくまで、相談のあった児童生徒についての説明なので、どこまで通用するか分かりませんが、言葉はシンプルで、ダラダラ説明しない、行動や理解の特徴をふまえて伝え方やタイミングを計って伝える。これだけでも、何も考えないでいるより、ずっといいと思います。