学校の文化

542)特別支援学校 防犯対策か利便性か

建前
裏口は不審者などの侵入がないように、常に施錠してください。もし、ここから入りたいときは学校に電話をかけてください。電話に出た人がカギを開けにいきます。

本音
わざわざ電話をかけて、開けて下さいとか面倒だなぁ。近くに教室があるんだから、見かけたらササっと開けてくれたらいいのに。次に人が来そうだから、鍵をかけておくのは気の毒かもだし、開けておいていい?

【運用】
誰かが開けっ放しにしているのを、近くの教室にいる教員が閉めています。入口で待っている人がいると、気づいた教員が開けています。そうして、時々入口近くにいる教員に問い合わせをします。「また誰かがくると思うんだけど、鍵は開けておいていいですか?」と。それに対して、「不審者対応上、それはダメです。」と答えて、閉めているそうです。

開けておけば、逐一対応しなくていいし、楽なのですが、本当に不審者が来た時に「管理体制はどうなっていたんですか?」が問題になります。そのときに、「管理は日常的に雑で、ある教員は面倒がって開けておいていいよと言っていました。」、などという証言がでたら大変です。

保護者だけなら、「開けてあげる⇒入る」でいいのですが、児童生徒の登校の送迎のときは、担任など、所属する学部や学年等の教員が開けることが望ましいです。なぜかというと、登校した後の児童生徒の安全確保と指導は学校側にシフトするのですが、事情を知らない他の教員が安易に開けて、事故やトラブルがあったときに誰が責任を負うのか?ということになるからです。

「結果責任を問わない」

これがあるだけで、学校の体制や運用はかなり柔軟なものになるでしょう。
しかし、現在は成果や運用、結果責任が学校や教員にかかる風潮があります。

批判を恐れて時に杓子定規、時に個人的なワガママを受け入れる、そんな一貫性のなさが裏口の運用ひとつとっても揺れ動く、いまの学校の姿をあらわしているのではないかと思います。