担任の先生より OT・PT・ST

543)特別支援学校 手技は違う、でも意味は同じ

先日、「腕の曲げ方で、こんな方法があると、どこぞの先生から聞いたんだけど、これでいい?」と聞かれました。

対象となる子どもは筋肉の同時収縮があり、それを抑制しつつ、肘関節のすべりを促すようなアプローチでした。
更に、「いつも自分はこんなふうにやっているんだけど、違います?」と聞かれ、実際にやってみせてくれました。

手技は確かに違います。しかし、やっている内容はほぼ同じなので、「教えてもらった通りでなくても、その添えている手で同じことをやっているので、あえて変える必要はないと思うんです。手技は違っても、アプローチの内容には大差ないですよ。どうします?」

それを聞いて、「へ?」と拍子抜けしたような顔をしていました。

【自信をもつ】
ファシリテーションのテクニックには色々な種類(流派?がたくさんあり、それぞれ手技と、その根拠となる情報を盛り込みつつ説明してくれます。

基本的な手技は健常者をモデルに説明されることが多いのですが、実際の教育や医療等の現場で対象となる方は変形、拘縮、短縮、易骨折性、感覚障害、認知障害等がある方々が多く、見本通りの方法だとできないというケースが多々あります。

そのため、やっていいのか悪いのか悩みながら真似るよりも、まず普段自分が不慣れであっても行っていることが妥当か、どんな意味があるのか、他人の力を借りてもいいので検証すべきと思います。検証していくうちに、エラい人が推奨している手技のエッセンスを自分が日常的にやっちゃっていた、と気づくことがあります。

日常のかかわりを検証することで、自分の中にある「良さ」を発見して欲しいと思います。そうして、無意識であっても高度なものに到達できていた自分に自信をもって欲しいと思うのです。

【大事なこと】
エラい先生の手技を再現できることが大事ではなく、その手技にある意味や価値が、目の前の対象者のニーズに応えるために使えているかが大事です。

始めはいろんな支援の方法を知り、試します。
次に、対象者を評価して、それに合った支援を模索するようになります。
経験が増えてきたら、自分の引き出しから対象者に合うものを取り出すうまさがでてきます。
さらに面白い支援・指導・治療に関するネタがないか探すようになり、その面白さを他の人にも伝えたい気持ちがでてきます。