医師・介護・看護 担任の先生より OT・PT・ST

545)特別支援学校 担任の責任と立ち位置について

特別支援学校の担任は、児童生徒を盾にして闊歩する人であってはならない。
最近、ちょっと気になることがあって、自分のなかで「担任」って何だろう?と思い返してみました。

自分なりに、担任としての役割が果たせているか、周りにいる他の支援者をどう位置付けて連携しているか、考え直すことが大事だと思いました。

【きっかけ】
なぜ、担任とは?と考えるようになったのは、他学年の教員が非常勤講師の先生に、「~ですよね。」、「~と思うのが普通ですよね。」と強い口調で指示・注意をしていたのを聞いたからです。

あなたのほうが非常勤の先生より経験浅い若造ですよね?
担任だからえらいという訳ではなく、中心人物でもないですよ?
他人の価値観を尊重できない人が、子どもの身近な支援者として適任だと?

などというダメ出しが頭の中をよぎっていました。

【担任の立ち位置】
担任としてどうあるべきか。
担任とは何ぞや。

教員になってずいぶん経ちますが、正直に言うと、自分の中で「こうかな?こうかな?」とコロコロと変わっています。今思っている価値観も、5年後にはどうなっているか分かりません。

担任をするようになって、文部科学省の特別支援教育に関する図を見て、児童生徒を中心にして、様々な職種の人が連携して支援するのは中心になって支援をとりまとめる人(ケアマネみたいな)がいないと、それぞれが好き勝手なことを言ったり、やったりしてグチャグチャになるだろう、これは現実的ではないと思っていました。

児童生徒の生活を見ているのは保護者と教員(担任)なので、学校生活にかかわることは担任が中心になって情報や支援のあり方をとりまとめていくべきと考えていました。実際、その頃は本当に様々な人が、それぞれの立場で好き勝手なことをするので、保護者や子どもが混乱しないように交通整理ばかりしていたような気がします。

まだ十分とは言えませんが、学校にかかわる人が状況を把握し、その中で自分はどんな支援を期待されているか分別をつけてくれるようになってきています。角がとれてきたことで、専門家や介助員さんなどの仕事、立場、専門性、個々の仕事への意識などが見えるようになり、どんな行動が必要で、どんな課題があるので一緒に考えて欲しいか、ツボをおさえて提示できるようになってきたと感じています。

【だから、何】
子どもに対して直接支援するのは誰か?
誰が情報などの交通整理をするのか?
の2点がキーポイントではないかと思っています。

交通整理は、客観的にみて子どもに近くて、専門性が少なめで、特別何かに特化していない担任がやるのが望ましいと思います。では、直接支援はというと、いくら学校で支援するのは教員であるとされていても、子どもの支援全体をみれば、福祉や医療機関もかかわっている訳ですから、教員の専売特許とは言えません。

児童生徒の支援について、支援者独自のフィールドは尊重しつつ(餅は餅屋)、その他グレーなところは、最も適切に着地地点を定めることができる人が、「誰が直接手を出して、誰は情報提供のみ、誰はアフターフォロー」といった支援の中身を調整することが大事だと思います。

それができれば、抱え込まない、丸投げしない、無茶ぶりしない、マウントしない連携が可能になると思います。