担任の先生より OT・PT・ST

546)特別支援学校 作業療法士が三人集まった

学校の中に、三人の作業療法士(OTが集まりました。(たまたま)
校外から、コンサルテーションのために来校したのですが、担任が私で、仲介の教員、外部からの助言役、三人が資格持ちでした。

【準備したこと】
普通に集まって、子どもを見せるだけだと、この子はこうですね、こんな指導がいいですね、こんなのはどうですか?のような、「どうこの児童生徒にかかわるか」のすり合わせで終わるかなと思いました。(ちょっと、それだとつまらない)

まさに、腹の探り合い。
「自分の価値観がどこまで通るか?相手の言うことをどれだけ受け止められるか?」

論点がずれそうなとき、軌道修正できるよう、まずは評価して欲しいところを1つ出して、それを軸に評価してもらえばいいやと思いました。たとえば、「歩行時の交互性を出そうと、あれこれやっているが他にできることはないか」、「注意と視知覚に課題があると思われるが、手元の課題に向き合えていない状況をどう説明するか」、などテーマをきめると、漠然とでなく集中して児童生徒を見てもらえます。

【授業を見にやってきた】
OTが授業を見にやってきました。

私がMT(メインティーチャー)として出る授業ではなかったので、どこに座ってみてもらうか場所を指定して、あとはST(サブティーチャー)として授業に参加していました。OTには、誰を見るか、どのポイントに焦点をあてて見るか指定していたので、どのように評価するかは、その人次第です。

【給食を見にきました】
短時間でいいので、食事の場面も見て行きたいとのことで、ここでも座る場所を指定して、見てもらいました。この座る場所は、専門家と、教員&児童生徒の関係やどこを評価してもらうかで変わってくるので、担任が指定するのが望ましいです。もし、児童生徒が気になって仕方ない、担任の先生がガチで見られると緊張する、という場合は遠まきに見てもらえばいいと思います。多少評価に支障をきたすかもしれませんが、それが専門家と教員の距離です。

食事の場面は集団の指導ではないので、私物の内容(保護者の摂食に関する価値観が分かる)、福祉用具、座る席やその向き、教員の指導方法、指導目標、留意点などについて適宜説明しながら進めていきました。

見られてプレッシャーはないのかと言うと、実はそれほどではなくて、「この子はこうして食べる」、「指導体制や状況のなかで、うてる手はほぼうっている」と開き直りの境地で臨んでいます。OTからのフィードバックで、合意ならば指導への自信が強化されますし、そうでなければ自分の見立て(評価)を更新する、指導目標や指導方法の再構築する、をやればいいのですから、何も怖いことはありません。

【フィードバック】
まず、専門家の見立て(評価)について聞きます。合意できる点があれば、実際の学校生活場面で、それについて裏付けになるエピソードなどを提示して互いに納得しています。また、評価したことについて、なぜそう評価したか聞いたり、更に発展的な質問を投げかけて検討しあったりしました。

今回の結論としては、互いの意見を出し合って、「そうだよね」で終わりました。

たまに意見の相違があったりして、専門家の顔に戻りそうになるときがありますが、論破するより着地地点を確認することが優先なので、そこは落としどころを考えるようにしています。新しい知見がなかったとしても、話し合うことで言語化して、頭の中を整理する機会が得られているのですから、常に現状をよりよい形に変えなければと身構える必要は全くないと思っています。

医療用語の飛び交う対話は、学校の中ではなかなかできません。
正直なところ気分転換にもなるので、また来校されたら話題を変えて意見交換したいと思っています。