特別支援学校で行われる多くの授業はMT(司会をしつつ、全体を仕切る)が一人いて、その他の教職員はST(サブティーチャー)として控えます。MTは授業の企画、進行、教材の準備を担うことになっています。
たとえば
A先生:国語・数学、行事の事前・事後学習
B先生:生活単元学習、美術(図画工作)
C先生:自立活動
みたいな感じで、どの教科はどの先生がMTとしてやる、というふうに基本路線を年度始めに決めています。
中でも、作りものが多い生活単元学習、国語・数学、図工などは当日(または前日)に授業を行う教室に必要な物品を揃え、配置し、当日の流れを確認しておく必要があります。
多くの場合は、始業前にきて準備する、前日のうちに出すものは出しておく、などをするのですが、使用する教室(場所)が朝いちばんにどこかの学部が使う、なんてことになっていたら、当日の直前に急いで準備する、ということもあります。
【身動きがとれない事情】
以前のブログでも書いたのですが、教員はそれぞれ担当する学級や児童生徒をもっているので、単純に見れば抜けられない状況です。しかし、実際は出張や年休、校内の事情でかり出されることなどがあるので、その分を誰かに託す必要があります。
この、託す形を、準備に手間がかかる教科のMTにも適用しています。
MTが担当する授業の前に、他の活動のMTから外す、MTが担当する児童生徒をうまく他の教員がまきこむことで、MTがフリーになって授業準備をする、というものです。
本音を言うと、教員が他学部への応援や出張などでよく抜けるため、タイトな指導体制はフリーがつくりにくく、抱え込む立場になった教員の完全管理の責任が増大し、本来するべき指導を放棄せざるを得ない状況になるので、望ましい取り組みなので諸手をあげてやりましょう!というものではありません。(仕方なしの配慮と考えてください)
【フリーになることで】
MTが直前にフリーになることで、必要な物を教材庫や他の教室からかき集め、運ぶことができます。運んだものは、授業場面をイメージしながら、うまく使えるであろう場所に配置します。置いているうちに、「あ、これ忘れてた!」と思い出したり、「こんなものが必要だ、とってこよう!」などと気づいたりすることができます。
余裕をもって授業準備ができると、「あ、こういうものがあったら便利かも」と短時間のうちに必要と思われる物を作ったりすることもあります。
こういった気づきは、事前に考えておけばという意見もあるでしょうが、直前に集中して考えるからこそ、というのもあるので、一概に段取りが悪いとはいえないかなと思っています。日々、あれこれと考えながら授業を考えることは容易ではありません。余裕をもって、柔らかい頭で準備できたらいいなと思っています。