学校の文化 担任の先生より

560)特別支援学校 意外と多い管轄外の仕事

A:「先生、パソコンのこれを頼みたいんだけど。」
B:「いやー、それは私のところでは、できないですよー。」
A:「えー、情報の部署だからやってくれるんじゃないの?」
B:「それは、内容からして情報というより、教務じゃないですか?」

【よくあること】
誰がどこの分掌にいるか、どこの学年にいるか、それは年度始めの体制を見れば分かります。
では、それぞれの学部や、分掌組織が何をしているか分かるでしょうか?

いくつか学校を回っていると、およそ共通してやることは分担されているけれど、グレーな仕事は確かにあります。
例えば、子どもが進む導線を明らかにするために、ラインテープを廊下に貼りたいと思ったら、どこに言えばいいでしょうか?

①各学部の学習活動の一環だから、学部の承認が得ればいい。
②廊下は全校の共有する設備の1つだから、事務室と管理職だよ。
③全校の子どもに共通するルールづくりだとしたら、生活指導部だよ。
④ラインテープは体育科だから、まずそれに使用していいか確認をとるべきだよ。
⑤各学習グループの学習で、自分の学部のことなんだから、許可なんか要るか?

さぁ、どれも正しいように見えますが、答えは…学校によって違いますし、学校で起こる様々な事案について意思決定をする人の価値観にもよります。

【何をみて確認するか】
冒頭のケースもそうですが、内容は教務、アウトプットは情報だとします。

教務が「情報管理的に安全な手段だと確認がとれない限り、それは出せない。」と言うと、提案者は情報に必要な技術はこれになりますが、実現可能でしょうか?と確認します。情報が、そもそも、その情報を表に出していいと判断できているのかなぁと言えば、教務か管理職に許諾の手続きをふんでもらうことになるでしょう。

このような問題解決までの手順も一様ではないですが、手順をふんで仕事を実現する、必要な部署と連携して組み上げることに変わりないと思います。

【シンプルな導線をイメージして、手順通りに進める】
必要な手続きと部署が分かれば、自分の考えていることが実現に向かっていきますが、もっと円滑に物事をすすめるにはどうしたらいいでしょうか。それは以下の2つが挙げられるのではと思います。

①分掌などの部署が、何をどのように運営しているか知る
公務員の縦割りは、様々な仕事を観点別に整理して、それぞれが担当する仕事をもつことで効率的に運営するためのシステムです。毎年分担されて決まっているものを運営し、新たにでた仕事や案件は、するかしないか、どこが、どのようにするか検討して決めていきます。そのため、各分掌ができることの範囲や限界を知ることは導線をシンプルにするときに参考になる知識になります。

②コネ
学校として実行するか否かといった大きなものでない案件なら、現場レベルで受けるか受けないか決めてしまうことがあります。そこで効果があるのは人脈や人柄や付き合いです。理由をつければ管轄外になることも、自分とこでやってしまえば話が早いよなーと思ったとします。しかし、これによって抱える仕事が増えてしまうので、本当にするかどうかは胸先三寸です。