担任の先生より

571)特別支援学校 授業を実施する教員が休んだ時の二重苦

いま、週の時間割のうち、メインティーチャー(授業づくりと司会)をしている授業は3つほどあります。内容は、毎週変わるものと、変わらず積み重ねとしておこなうもの、何時間かやってから次のテーマへと変わっていくもの、などがあります。

毎週変わるものは、体験的にいろいろやってみようというものが多く、構想を練って、準備することが大変ですが、やるたびに授業に参加した人の様々な表情を見ることができます。ただ、積み重ねを期待するならこの形態では難しく、毎日繰り返して行う個別課題やADL(日常生活動作であるトイレや食事など)の取り組みにはかないません。

【教員が休んだ】
事前に予告がある場合もありますが、発熱や突発的な家族の用事などが起こった場合、出勤時間頃に「休みます」の連絡が入ります

休みになったことを確認したら、当日その先生が担当する授業があるか、登下校時、給食の担当確認だけでなく、その先生が普段見ている子どもが宙に浮くことになるので、そこをどうするか考える必要がでてきます。どうしてもマンツーマンが必要なら指導体制を組みかえることになりますし、抱き合わせで指導できるなら、少なくなった人数で踏みとどまることになります。

【その先生の授業があったとき】
休んだ先生の授業があったとき、その穴をどのように埋めるかですが、ここで冒頭で述べた授業の内容や流れが重要なポイントになります。毎回同じ内容を行って、積み重ねを大事しているものなら、再現できる教員がメインティーチャーになってつなぎます。同じ内容を何回かシリーズでやっているものなら復習として前回と同じ内容を実施することで、そのシリーズの展開を乱さずにつなぐことができます。問題なのが、毎回内容が変わり、そのたびに内容をデザインし直しているものです。休んだ先生が、いつ体制に穴をあけてもいいように内容や教材を残していれば、それを取り出してやればいいのです。しかし、そのような準備が常時行われている訳ではありません。

【二重苦】
穴埋めに際して、新たにメインティーチャーになった教員には二つの苦難が降りかかります。一つは、その授業を即席に組み立てて実施しなければならないということです。ここで対応できるためには、普段からその授業を行っている教員がどのような考えで授業づくりをしているか、どんな流れでその授業が進んできたか見えていることが大事だと思います。もし、それらがもう一つ分かりにくいという場合は、臨時の授業内容を経験したことや、これまで他の教員がやった内容を引っ張り出して、再現することが無難です。

もう一つは、休んだ先生の補充で、急遽応援として入ってきた、「普段の様子を見ていない人をマンパワーとして活用する」というミッションが課されるということです。いつも一緒に働いている教職員であれば、この場面はこうしておくという経験値があるのですが、そうでなければ何をどうするか、逐一指示を出すことが求められるのです。

このような事態は普通に想定できることで、これに対応するために必要なことは、自分の引き出しをとにかく増やすこと他の教員がやっている授業のやり方と意味を知ろうとする探求心をもつしかないと思っています。