医師・介護・看護 学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

573)特別支援学校 よし、医師にこれを言わせよう!

学校にはリハビリテーション関連職種だけではなく、医師がきて子どもの状態をみることがあります

大抵は、子どものおおまかな成長や機能的部分のチェックで終わり、教員も予定通り医師に来てもらって、仕事をしてもらえれば御の字という面があり、日々の指導に波風を立てさせるような発言をさせないように目を光らせています。

私としては、それはちょっと勿体ないと思っていて、大金を使っているのだから相応のことをしてもらおうと考えています。今回は、保護者の要望が子どもの実態と乖離していることを受けて、「どこはできる、これは難しい」と言わせることに集中しました。

【寝かせない、すぐには触らせない】
相談案件にもよりますが、今回は保護者が同席していないので型どおりにする必要はないですし、子どもをすぐに寝かせて、この状態はいかがでしょう?などと言ってはいけないと思いました。医師などの専門家は、自由にさせると自分の得意な範囲の話にもっていき、小さな範囲のことについて、いかにも深堀りしたかのように話したがります。そうなってしまうのは相談する側の丸投げにも原因があります。

まずは、座れますか、立てますか、歩けますか、をどんどん見せて、保護者はこのようなことを希望されていますができますか?このような状態は良くないと言っていますが、実際正しいとされる方法でできますか?と矢継ぎ早に問いをぶつけていきます。

「はぁ、うん、それは難しいですね。」
「それは、これくらいでいいんじゃないですか。」
こう言わせたらOKです。

「そうですよね、難しいことをずっとやるように言われたら、子どもにとっても、教員にとっても辛いですし、そのへんはうまく伝えさせて頂きます。」で完了です。

【分かっているけれど】
わざわざ、分かりきったことを…と思うのですが、教員という立場になると、「診断はできない」ことを忘れてはいけませんし、「機能面について説明することはリスクがある」のです。

このリスクですが、例え臨床経験があっても、100%の答えが出せないと思っていますし、外したら「勝手な判断をして保護者の信頼を…」などと逆襲されるかもしれませんし、「専門家ぶっているけれど、アテにならない」と吊し上げを食うかもしれません。それとは違う意見をもつ教員(情念第一)と対立するかもしれません。

学校の教員には昔のような権威がありません。なので、根拠とともに権威をつけないと感情論に押し切られ、できる見込みのない指導を強要されることになります。それは、指導上の事故発生リスクを高めたり、指導体制への負荷になったり、有効な指導をさせないことによって教員自尊心を傷つけたりします。

そうならないために、私は専門家を活用し、利用します。