医師・介護・看護 担任の先生より OT・PT・ST

574)特別支援学校 くるまいす、なんでこんなパーツが…

中学部あたりになると、車椅子のサイズが小さいと感じることが多くなります。
どんどん伸びる、どんどん広がる、そんなときはすぐに体にあった車椅子を作って欲しいと感じます。
しかし、作るのは教員ではないし、そんなに頻繁に作ってきてくださいと担任から言いにくいです。

【濡れた】
先日、尿もれの案件があって、車椅子から水分がぽたぽたぽた…。
尿パットの吸収容量をこえて、ズボンも床も濡れてしまいました。
子どもはトイレに移動して着替えをしました。
床は除菌の処理をしながら拭きました。
車椅子は、座面の取り外しがきいたので、取り外して洗浄し、消毒し、干すことになりました。

「この子は尿もれの可能性がある」

このことを知っていれば、いろんな面で配慮できることがあります。こんなときに車椅子からの移乗動作はどうした?などを知るだけでも、車椅子をつくるときに、もっとそれに応じた工夫や配慮ができると思っています。今回は、座面の取り外しができたことに助けられました。

【余計なもの】
車椅子の部品などは、無料ではありません。せっかく車椅子の機構に盛り込んでも、使われなければ、邪魔にしかなりません。
利用する子どもにとって、合わないと思ったものを思い出してみると、肩ベルト、自走式ハンドリム、サイドブレーキ、折りたたみ機構などがあります。

逆にあったらいいなと思ったのはテーブル固定のねじ又はバックル、手がテーブルから落ちないようにする幕(?)、体幹を固定するベルト、取り外し可のフットサポート、などです。

車椅子の構成は、「子どもの身体機能面にあう」、「子どもの活動にあう」、「子どもの安全面への配慮がされている」、「その車椅子にかかわる支援者のニーズに合っている」ということが必要です。機能面と能力面は医療機関でも評価(アセスメント)できると思います。しかし、車椅子にかかわる支援者のニーズは、聞かないと分かりませんし、見ないとなかなか理解できないのでは…?と思います。

多くのケースは保護者と医療機関で話をして車椅子が完成し、依頼を受けて担任が使うということになっています。それぞれの専門家が子どものためにと、個々にパフォーマンスを発揮するのは過去の話だと思います。支援チーム、ユニバーサルデザイン、連携など、支援者も含めて対象者の生活をデザインするような形になったらいいなーと思っています。