「学校の先生は、専門職?」
学校とはいっても、ここでは公立学校の先生に限定して考えたいのですが、場所は学校で、教員免許を取得して、教えることに特化しているので専門職だと思っていました。しかし、実際にやってみて、これは専門職の仕事だろうか?と思うようになりました。
【専門職の定義】
専門職とは何か、調べてみると、いくつもでてくるので、どれをとっていいか分からなくなりました。いくつかあったので、列挙してみます。
①特殊な知識・技能
②道徳的な理念をもち、公に奉仕する
③自発的に組織された同じ職業に就く個人の集団
④長期にわたる高度な教育と訓練を受けている
⑤自治権をもつ(外部から干渉されない)
⑥倫理網領をもつ
⑦一般の人々が立ち入れない領域をもつ
【教員の専門性とは】
いつの時代も教員に求められる資質能力について、昭和62年と古い答申ですが「学校教育の直接の担い手である教員の活動は、人間の心身の発達にかかわるものであり、幼児・児童・生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすものである。このような専門職としての教員の職責にかんがみ、教員については、教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、幼児・児童・生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、広く豊かな教養、そしてこれらを基盤とした実践的指導力が必要である」
⇒「教職に対する愛着、誇り、一体感に支えられた知識、技能等の総体」
今後教員に求められる資質能力
<1>地球的視野に立って行動するための資質能力
①地球、国家、人間等に関する適切な理解
②豊かな人間性
③国際社会で必要とされる基本的資質能力
<2>変化の時代に生きる社会人に求められる資質能力
①課題解決能力等に関わるもの
②人間関係に関わるもの
③社会の変化に適応するための知識及び技能
<3>教員の職務から必然的に求められる資質・能力
①幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解
②教職に対する愛着、誇り、一体感
③教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度
【主体性の有無】
教員は児童生徒の指導だけでなく、公務員であるため自治権はありません。また、開かれた学校づくりにあるように、納税者への説明責任を果たし、より多様なニーズに応えることが求められています。
職域は時代の変化とともに広く、複雑で高度化してきています。先に述べたものも大事なことだとしているので、際限なく増え続けていきます。情報リテラシー、がん教育、ジェンダー、人権問題、外国国籍の子どもたち、ヤングケアラー、薬物問題など、列挙しはじめるときりがありません。この取り扱う範囲は上からおりてきて指示されたもので、教員が自主的に定めたものではありません。
これらのことから、教員は日本国憲法にあるように、保護者に教育を受けさせる義務を果たすことができるよう、基準にのっとった人員であり、学習指導要領や地方公務員法に定められた職務を遂行する公務員の1つだといえます。また、児童生徒の指導について、教員の教育観よりも保護者の意思や感情が尊重される風潮にあるので、現代の教員は専門家ではないと考えます。